MACROCOSM Web Site
MACROCOSM Web Site
MACROCOSM Web Site
HOME > MACROCOSM 冊子一覧 > Vol.93
MACROCOSM Vol.93 発刊日2011年3月
 

Vol.93  2011年3月



macrocosm:Flash Book
・第9回「青年社会活動コアリーダー育...
・タイ王国・スタディツアー2011
・国際理解教育支援プログラム
・平成22年度 内閣府青年国際交流事...
・第37回「東南アジア青年の船」事業...
・日本青年国際交流機構(IYEO)の...
・お知らせ
 

平成22年度 第9回 「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」

NPOマネジメントフォーラム2011



「NPOマネジメントフォーラム」は、高齢者・障害者・青少年の三つの分野の非営利セクターで活躍する日本と諸外国の青年が一堂に会して、各国のNPO事情や活動事例に基づく有益な情報を共有し、実践的な意見交換を通じてNPO運営に関する能力の向上を図り、それぞれの分野において社会活動を支え、その中心的な担い手となる青年リーダーを育成することを目的として実施しています。  

 今年度は、平成23年2月10日(木)~13日(日)、「NPOにおけるプロジェクト・マネジメント~組織や活動を継続し発展させるために~」をテーマに、日本、ドイツ、ニュージーランド、英国の高齢者・障害者・青少年分野の非営利セクターで活動する青年が集まりました。


 非営利セクターにおいて、効果的な団体運営を行うためには、抱えている課題を適切に解決していく必要があります。しかしながら、多くの非営利団体において、こうした課題解決に積極的に取り組めていない現状があります。各団体が、さらに組織としての力を向上させるためには、課題を洗いだし、積極的に解決策を見出す取組が必要です。そのためには、課題に集中して取り組むプロジェクトチームを作り、目標を定めて向かっていくことが効果的です。この「プロジェクト」を実施していくに当たり、どのようにマネジメントを行うのが効果的なのかを学び合う場を設定したく、今回の総合テーマを「NPOにおけるプロジェクト・マネジメント」と定め、参加者がプロジェクト・マネジメントを的確に理解し、所属団体において応用し、取り組むことを可能にし、かつ具体的スキルを持ち帰ることを目指しました。

 ディスカッションを行うに当たり、多くの団体が抱えているであろう課題の、新規事業への取組、団体の広報、財政基盤の改善の三つの切り口(トピック)を題材にして、各国でどのような取組が行われているかについて情報を共有しました。次に、各トピックのプロジェクトに取り組む際に、どのようなチーム組みを行うことが必要なのか、課題解決にどのような過程を経て取り組んでいくことが効果的なのか、そして評価し、次につなげていくにはどうしたらよいかについて話し合いました。

 参加者は、課題別視察やディスカッションを通じて情報共有や意見交換をし、その成果を「NPOマネジメントフォーラム2011宣言文」としてまとめました。
ディスカッション・トピック
1. 社会のニーズにあった新規事業
2. 団体の理解者を増やす広報
3. 財政基盤の改善について

  • NPOマネジメントフォーラム2011宣言文

 私たち非営利セクターは、人々が平和で豊かな人生を送ることができるより良い社会を目指して様々な活動に取り組んでいます。その活動は、大きな成果を生み出していると信じています。

 しかしながら、現在の社会状況は、世界的な経済不況に加えて環境問題も含め様々な課題が噴出し、社会環境が大きく変化を遂げています。このように、多様化した現代社会に現れる新しい課題を解決していくために、非営利セクターが果たす役割への期待は、より一層大きくなっています。また、政府や地方行政のパートナーとして、施策を共に作り上げ実行していくことが今まで以上に期待されています。さらに、私たち非営利セクターには、企業などの民間組織との連携を含め、多くの関係機関との連携によって、地域社会及び様々な分野において今まで対応されていなかったニーズにも、きめ細かく応える力があると確信しています。

 このように、今後の社会を大きく担っていく非営利セクターの基盤を強固なものにするために、各団体が問題解決能力を高めることは社会に貢献することにつながると考えます。その能力の一つとして重要なのが、課題を洗い出し積極的に解決策を見出す取組を行うためのプロジェクトを効果的にマネジメントしていく力です。そうしたその取組の成果を積み上げて団体の力をつけていかなければなりません。

 本フォーラムでは、効果的なプロジェクト・マネジメントを身につけることをねらい、多くの団体が抱えている課題の「社会のニーズにあった新規事業」、「団体の理解者を増やす広報」、「財政基盤の改善について」の三つの題材を取り上げて討議しました。そして、各プロジェクトのマネジメントに取り組む際に大切にすべき視点と具体的取組を以下のように認識しました。


1. 社会のニーズにあった新規事業
 NPOにおける新規事業の大切な視点は、まず、第一に社会的ニーズの正確な把握が挙げられます。事業における対象は誰なのか、どのようなサービスを提供するのかを明確にし、またそれが団体の理念に沿っているかという点においても確認する必要があります。   

 次に計画立案の際には、新規事業に求められる能力、経験、性格などを考慮したメンバーを揃え、それぞれの強みが遺憾なく発揮できる環境を作ります。そして現段階で考えうる到達目標や業務をできる限り具体的に設定します。その際には、事業メンバー、ボランティア、資金提供者や他のNPOパートナー、利用者を巻き込み、すべての意見に耳を傾け、共通認識の上で決定します。それは、新規事業は既存事業以上にニーズの発掘や把握に細心の注意を払い、それを充分に計画立案に反映させる必要があるためです。実際に事業を進めていく際にも、利害関係者と協働関係を作り、全員が当事者意識を持つことが事業の過程と結果をより強固なものにすると考えます。一方で、新規事業は利用できる情報や知識が限られているため、常に開かれた意見交換を行い、分析、検討、評価をしながら必要に応じて柔軟に変更や修正を加えて進めていくことも重要です。

 事業の実施に関しては、成果や結果に責任を持つことが大切です。NPOにおいて、事業の成果は定量的なものに加え、定性的な面も含まれる場合が多々あります。いずれにせよ、事業の影響や成果を定量的、定性的に証明する術を持つことが重要です。なぜならば、その証明によって社会的な信用や信頼を得て、団体や事業が持続可能な運営をしていくことが、社会課題に取り組む者の責任でありNPOに求められることであると考えるからです。


2. 団体の理解者を増やす広報
 広報プロジェクト・マネジメント・サイクルの各ステージにおいて、団体のビジョンや課題を絶えず振り返ることが成功の鍵です。それによって、間違ったメッセージが伝わってしまい、投入した労力を無にしてしまうリスクを最小限に抑えることができます。


チーム結成

 広報プロジェクト・チームの結成においては、広報の専門家と、団体の理念を正確に理解しているメンバーとのバランスが取れた構成が重要です。このチームは団体の理念に沿って行動すること、また、チームに対する期待値や成果が明らかであることが重要です。チーム内に、経験豊かな広報の専門家がいることが理想的です。


目標設定

 団体内外の環境の評価をするに当たり、SWOT*1やPEST*2分析を活用し、SMART*3な目標を設定すべきです。広報の対象者を分析することが鍵であり、これによって最適な目標が確定します。


計画設計

 すべての手順を明らかにし、誰がいつどこで何をするか決めます。クリティカルパスを見出し、その上で計画に柔軟性を持たせます。団体の評判を汚さないため、起こりうるリスクを洗い出し、対応策を策定しておきます。計画は、チームメンバー全員が共有し、容易にアクセスできるようにします。


実施

 常にビジョンを最優先に考える。団体外部の専門家などとの協働を行うことも多いため、計画が確実に期日通りに実施されるよう規律を保ち、プラス思考で実施すべきです。実施のあらゆる段階において、PDCA*4サイクルを回し、リーダーはメンバーに対する動機付けと、内外の関係者との十分なコミュニケーションをとります。不測の事態に備えた代替案が必要です。


評価

 評価報告書を作成するときには、内部外部の主要な関係者からフィードバックを収集します。当事者あるいは対象者を念頭に置くべきです。受益者の関与を無くして、その受益者に影響を及ぼす事業はありえません。広報プロジェクトにおける成功とは、プロジェクトビジョンを達成するために、適切な方法で適切なメッセージが伝わることです。成功時は是非、それを祝い、結果を共有しましょう。報告書を作成し、次回のプロジェクトの参考とします。


3. 財政基盤の改善について
 プロジェクトを実施する際に置かれている環境に対して共通認識を持つことは、どのようなプロジェクトでも必要です。解決すべき課題が明確になれば、プロジェクト・チームのメンバーだけでなく、出資する側も明確に目的を理解する事ができます。

 プロジェクト・チームには財政に関するスキル、内因・外因の知識だけでなく、顧客に与えている影響を把握することができる優れたリーダーシップが必要です。

 プロジェクトを実施し、評価した後には、プロジェクト実施の際に得た知識を以降のプロジェクト・マネジメントに反映しなければなりません。

 文化が異なることで、財政についての考え方も異なります。参加者は、プロジェクト・マネジメントの理論と事例を用いて、お互いの実体験から違いを学び、どのプロジェクト・マネジメントにも共通して必要なものに関して議論をしました。異なる背景を学ぶことで、日本と他国の非営利セクターでは発展の度合いが違うことが分かりました。例えば寄附の方法として、遺産をNPOに寄附することが行われている国があるのに対し、日本ではそのようなやり方は多くありません。

 また、ドイツ・ニュージーランド・英国で、重要視されているのは、寄附金が期待に沿って効果的に使用されているという信頼を与えることです。したがって、企業や個人からの寄附金に頼っている組織にとっては、寄附者からの信頼を得ることが必要不可欠です。

 既存の手法のみならず、新たな寄附アプローチを模索することで、財源確保の道がさらに開かれるでしょう。第一に、寄附を集めるための戦略が重要です。その際、団体の活動している国での経済状況や文化を考慮することで、計画を実施する前に、そのプロジェクトの全体像を共通の認識として持つことができます。


 今後、私たちは、今回のフォーラムで理解を深めた効果的なプロジェクト・マネジメントの考え方や手法を活用して、自分が所属する団体において具体的な課題解決に向けて取り組みます。 また、同じ立場で活動する仲間とのネットワークの構築に取り組み、互いに協力して団体としての能力を高めあう努力をします。そして、政府や地方行政、企業とより強く連携して、広く社会に貢献できる活動の展開を促進します。さらに、そのために必要なマネジメント力を身に付ける人材育成の場を政府や地方行政、企業との協力のもとに創り出すことを目指します。こうした目標実現のために、この事業の成果を活用し、このプログラムで得た人的ネットワークによる情報交換を促進し、効果的に協働していきます。


*1Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとったもの。
*2Politics(政治)、Economics(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字をとったもの。
*3Specifc(具体的な)、Measurable(測定できる)、Agreedupon(同意している)、Realistic(現実的な)、Timely(期日が定められている)の頭文字をとったもの。
*4Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったもの。

  • 表示ページ 
  • 1
  • 2
  • NEXT
第17回青少年国際交流全国フォーラム 埼玉大会
理事長あいさつ
 
 
コンテンツ検索キーワード
MACROCOSM一覧リスト
MACROCOSM:新着一覧
MACROCOSM:特集一覧
MACROCOSMバックナンバー
国際交流全国フォーラム報告書
INFORMATION
MACROCOSMとは
日本青年国際交流機構
内閣府青年国際交流
IYEO 日本青年国際交流機構
一般財団法人 青少年国際交流推進センター JENESYS2.0
HOME > MACROCOSM 冊子一覧 > Vol.93
HOME MACROCOSMとは ▲このページの先頭へ
copyright 一般財団法人 青少年国際交流推進センター all rights reserved.