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MACROCOSM Vol.89 発刊日2010年3月
 

Vol.89  2010年3月



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「青年国際交流事業50年 既参加青年の集い

既参加青年代表事後活動報告会」


「青年国際交流事業50年 既参加青年の集い」は、平成21年4月20日、国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議室にて、これまでの青年国際交流事業に参加した青年(既参加青年)が一堂に会し、事業開始からの50年を振り返り、既参加青年が行っている社会貢献活動(事後活動)への意欲を新たにし、それによって事後活動への更なる取組を促進することを目的に開催されました。当日は、「青年国際交流事業の体験をいかして」と題する既参加青年の代表5名によるパネルディスカッションが行われ、およそ200名が参加しました。

役割 氏名 参加事業等
コーディネーター 酒井 洋幸

「第9回青年海外派遣」中欧(昭和42年度)

第10回「青年の船」(昭和51年度)他

元日本青年国際交流機構会長

パネリスト 河合 純子 第4回「青年海外派遣」東南アジア(昭和37年度)
パネリスト 大河原 友子

第14回「東南アジア青年の船」事業(昭和62年度)他

日本青年国際交流機構会長

パネリスト 芦口 正史

第8回「国際青年育成交流」事業メキシコ団(平成13年度)

海友会会長

パネリスト 得能 淳

第18回「世界青年の船」事業(平成17年度)

前日本青年国際交流機構運営委員

 
 
 

酒井:本日は、「青年国際交流事業の体験をいかして」というテーマで、青年国際交流事業の50年の歴史をたどりながら、今後の在り方等について話し合えればと思います。失礼ですが、年代順にご報告いただきます。河合さん、お願いします。


◆各パネリストによる事業参加と帰国後の活動の紹介
河合:第4回「青年海外派遣」事業で東南アジア、オセアニアに参りました。私は大阪府で地域の子ども会やYMCAで活動したり、職場の幼稚園で英語を教えたりしていた関係で、「青年海外派遣」事業に参加し、帰国後は、大阪青友会で「青年の見た世界」という写真展を開催しました。海外渡航自由化前の時代でしたから、大勢の人が見に来ました。また、「青年海外派遣」の訪問国にニュージーランドが含まれていたので、YMCAからマオリの踊りを習ってくるよう依頼され、帰国後、「マオリの歌と踊り」という本を作りました。事業後、5年間は大阪で活動し、結婚後は夫と共にカナダに移住しました。カナダでの10年間に、日本の文化をカナダの方にお知らせするのも事後活動の一つだと思い、勤務先のJETROの出先機関などで、お茶やお花を披露したり、コミュニティ・センターで日本語を教えたりしました。 

その後、日本に戻り、兵庫県の明石海峡大橋の近くに住んでいます。自宅近くに孫文の記念館があり、そのご縁で、日中交流にもかかわるようになり、8回ほど中国へ参りました。また、兵庫県には「県民の船」という事業があり、副団長として乗船したこともあります。さらに、私の娘も第10回「世界青年の船」事業に参加し、第16回の事業ではサブ・ナショナル・リーダーをしましたので、親子でIYEOの大会に参加するなど、楽しい時を過ごすことができました。 

また、私の家族を今まで育ててくれたカナダとの交流を大切にしたくて「日本カナダ会」を立ち上げ、活動をしています。 他には、日本人として、美しい日本の文化を後世に伝えることが大切だと感じ、神戸市の湊川神社で日本の心を歌う会「楠公歌の会」を立ち上げ、副会長としてお世話しています。といいますのも、私は、楠木正成の生まれた大阪府唯一の村、千早赤阪村の出身で、今は楠木正成終焉の地、神戸市で暮らしている、そのご縁だと思います。

酒井:海外派遣事業をきっかけとして以後、途切れることなく活動されている一つの見本です。さて、この海外派遣事業がスタートしたのが1959年、河合さんが参加されたのが1962年、私が参加したのが1967年ですので、私にも少し話をさせてください。 

1967年、第9回「日本青年海外派遣」事業で中欧に行きました。行きは船、帰りが飛行機でした。私の派遣された年は、スエズ運河封鎖があり、マルセイユ行きの船がなくなったため、東欧圏がコースに入りました。ソ連からシベリア鉄道と飛行機を乗り継いで、ウィーンに入りました。当時の重点訪問国であった西ドイツでは、プロフェッショナルが青少年育成に携わっている現場を見ることができ、日本では、プロが青少年育成をすることが少ない時代でしたから、感銘を受け、自分こそが日本でこの仕事をするべきだと思いました。日本に帰ってから、青少年育成をする団体に入り、以後30年、定年まで勤めました。そして、現在ではNPO法人を立ち上げ、青少年育成をいまだに仕事として続けています。 

また、IYEOの役員も務め、これが若さの秘訣だと考えています。これまでの40数年間を振り返ると、「青年の船」事業の班長や海外派遣事業の団長をさせていただくなど、まさに海外派遣が原点といえるような生活を送ってきました。 

次に、1987年に参加された大河原さん、お願いします。

大河原:第14回「東南アジア青年の船」事業に参加しました。私は高校時代にアメリカに交換留学生として留学し、全く見知らぬ土地のファミリーに本当の子どものように面倒をみていただきました。温かいファミリーに巡り合ったことで、人と人との出会いのすばらしさを実感しました。帰国後は、日本で開催される国際会議や、日本在住の留学生等、いろいろな方とすばらしい出会いがあり、お友だちになると、「あなたのおうちに遊びに行くから」と約束して、本当に遊びに行く生活をしていました。 

その後、ツアーコンダクターになり、世界40か国以上を旅しましたが、当時の私は、アメリカやヨーロッパなど、西洋に目が向いておりました。学生の頃、総務庁の青年国際交流事業の船のプログラムのポスターを見たことがあり、いつか未知の世界を知るために参加してみたいと思っていたところ、第14回「東南アジア青年の船」事業に乗船することができました。現在は、秋篠宮妃殿下となられた川嶋紀子さんが一般青年として参加された年のことでした。14回の日本青年のみならずASEAN各国の青年も、いまだに強い絆でつながっています。 

その後、結婚し、主人の転勤でイギリスに住むことになり、現地の学校で日本文化を紹介するボランティアをしたり、イギリス在住の日本の子どもたちを集めて、ひな祭りや端午の節句など、海外では体験できない日本の伝統文化を子どもに体験させる会を主催したりしました。 

帰国後は、子ども会、PTA等で海外の文化を紹介しました。また、英会話スクールを立ち上げ、フォニックスという現地の子どもが英語を覚えるときに使う方式で、2歳のお子さんから大人の方までを対象に英会話を教えています。さらに、「英語で教えるクッキング」というクラスもあります。英語はあくまでも手段なので、英語プラスアルファが必要だということを子どもに知ってもらいたくて、英語を使って算数や理科や社会を教えるクラスも開いています。また、2年に一度、子どもたちをオーストラリアに連れて行って、アウトドアの楽しみやホームステイの経験をさせています。ハロウィーンやクリスマス等のイベントを通じ、心が通じ合うような英語が話せる英会話スクールを目指しています。加えて、日本の四季折々の文化を英語で説明できるよう子どもの年齢に応じた形で教えています。海外に赴任される方を対象に、異文化セミナーなども開催しています。 

振り返ってみますと、事業に参加して数多くの経験をし、多くのことを学びましたので、それを自身の成長に役立てるだけではなく、より多くの方に伝えるのが使命だと思います。私は14回「東南アジア青年の船」事業に参加した後、24回、25回のプログラムに管理部として乗船したことがきっかけとなって、IYEOの活動を再開しました。2001年には、「国際青年育成交流」事業ジンバブエ派遣団の団長を務め、また、「東南アジア青年の船」事業の事後活動組織であるSSEAYPインターナショナルの事務局長、昨年からIYEOの会長をしております。

酒井:一つの経験からステップアップして、仕事やボランティアに自らの体験をいかしておられますね。次に、2001年に参加された芦口さん、お願いします。

芦口:和歌山県の海友会会長の芦口です。平成13年度に「国際青年育成交流」事業でメキシコへ行って以来、活動に参加し、平成17年度より会長をさせていただいています。この事業に参加する前は、団体に加入して国際交流事業をしたことはありませんでしたが、事業参加後は、せっかくの体験を還元したくて活動に参加するようになりました。今では、プログラムを自分たちで組み立て、無事に終えたときの達成感や、ホストファミリーや参加者から「ありがとう」とお礼の言葉を聞くのがうれしく、活動を続けています。 

平成17年度「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」の地方プログラムを和歌山県で受け入れたことをきっかけに、オーストリアの青年団体と交流を持つようになりました。ある年、和歌山県独自でオーストリアの青年を日本に受け入れてもらえないかと打診があり、「はい、喜んで」と受入れを決めてしまいました。ところが、いざ受け入れるとなると、日本の文化や伝統はおろか、地元の良いところすら知らないことに気づき、1年かけて、地元のよさを知ったり、スタッフの英語スキルを伸ばすための勉強会をしたりしました。おかげ様で、無事にプログラムを実施できました。その後、毎年、オーストリアの人の受入れをした翌年には、日本人をオーストリアに派遣する相互交流プログラムを独自に行っています。 

田舎なので、受入れスタッフとして国際交流に参加する人が少ないのが現状です。能力や技術があっても仕事の都合等で活動に参加しにくい方もいますので、夜間や休みの日に参加してもらえるように場を設けています。 

若者の中には、ひきこもり気味で他の人とコミュニケーションをとりにくい人もいますが、スタッフとしてプログラムに参加することで考え方が変わることもあります。また、ホストファミリーが「うちの子どもをスタッフとして使ってね」と言ってくださることもあるので、そのような輪を広げていきたいと思います。

酒井:各地域で事後活動をする際の現状も含めていただきました。次に、平成17年度に参加された得能さん、お願いします。

得能:第18回「世界青年の船」事業に参加した得能淳と申します。私は帰国子女でしたので、海外の青年とかかわることは、ある意味、日常的なことでした。この事業に参加するきっかけになったのは、ブルネイに住んでいた小学生の頃、船がブルネイに寄港して、日本人学校の仲間と乗ったことです。その後、社会人になってから「世界青年の船」事業に参加しました。私は世界各国、日本全国から参加している「世界青年の船」の仲間とネットワークを作っていろいろなことをしたいと思い、参加を決めました。 

現在は、日本中、世界中にあるネットワークをいかした活動をしています。具体的には3つあって、スリランカ教育支援プロジェクト、「世界青年の船の森」プロジェクト、サポート・ケニア・プロジェクトです。ネットワークのおかげで、メールで応援を募ったり、こういうことをしたいんだけど…と発信したりするとすぐに連絡があるので、非常にやりやすいと感じています。 

今後は、IYEOのネットワークを活用し、この50年間で培われてきたものを外へつなげて、もっと大きなものにしたいと思います。

◆広報の重要性
酒井:現代のツールを使った交流の在り方を提案してくれました。昔は、青年活動に参加していたことがきっかけで、この事業に参加するよう選ばれ、帰国後は、事後活動や青年活動を続けることが多かったのです。しかし、近年では、事業参加前は、具体的に青年活動をしたことがなく、この事業に参加した後、はじめてIYEOを通じて青年活動をするというパターンが見られます。また事業内容としては、当初は、視察や学びであったものが、外国青年とのより深い交流という形になり、現在では、国際協力、国際貢献が重視されています。さらに、お気づきの点等ありましたら、お願いします。

河合:既参加青年の最大の貢献とは、この事業を自分の地域や、所属団体だけでなく、もっと多くの人に広報することだと思います。例えば、私は事業参加当時は大阪府藤井寺市に住んでいましたので、帰国後は、藤井寺市の成人式でこの事業のことをお話ししました。行政の事業と連携して広報に務めることができると思います。 

さらに、現在、日本は観光立国を目指していますが、観光だけでなく、交流することが大切だと思います。個人個人がおしゃべりをしたり、一緒に食事をしたりすることが重要ですから、自宅の近くとカナダのバンクーバーに小さなお部屋を持ち、皆さんに泊まっていただけるように開放しています。B&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)のおばちゃんではありませんが、できることを楽しみながらやっております。

大河原:最近は、青年活動をしている青年自体が少ないので、青少年団体等の推薦でこの事業に参加する人の数が減少しています。そこで、内閣府も広報に力を入れていて、英語の教材や、ラジオ番組で広報し、今年は20校以上の大学で説明会をします。また、各事業に参加した青年たちが、帰国報告会を行っています。個人をターゲットにPRするのが特徴です。

酒井:一番若い得能さんにお聞きしたいのですが、得能さんのお友だちはこの事業に対してどのような印象を持っていますか。

得能:自分が何をしたいのか、将来どのような人生を送りたいのかが分からない人が多かったように思います。でも、船に乗って、いろんな価値観を持った人に出会ったり、海外の人がどのように考えているかを知ったり、同年代の青年が活躍しているのを見て、それをきっかけに自分も何かできるかもしれないと思ったようです。

酒井:やはり参加が大事だということですね。

得能:そうですね。そのためにはまず、このようなプログラムの存在を知ることです。プログラムから何を得るかは人によって違いますが、きっかけとしてこの事業に参加するのは非常に意義があると思います。

酒井:大学や各地の成人式などでのPRも効果的かもしれませんね。広報以外の視点から、芦口さん、お願いします。

芦口:海友会の会長という立場では、活動を認知してもらうための広報活動は大切だと思います。地方では、仕事を休んでボランティアをしようと思う人はほとんどいませんが、実際に活動しているところを見せることによって、この活動は、これほど有意義なんだということを対外的にアピールでき、少しずつ考え方を変えていただけるかもしれません。さらに、若い人は、何かやりたくても、具体的なノウハウを持っていない場合があります。プログラムを組み立てる際には、まず自分で考えてもらいますが、○○さんのこの意見が参考になるよとか、こんな活動をしていたOBの方がいらっしゃるから相談してみたらどうか等と言って、上の世代と若い世代を結び付けて活動ができればと思っています。

酒井:この事業で得たものを社会に還元するには、対外的にPRする必要性を感じておられるのですね。今後、いっそう検討すべき課題です。

さて、既参加青年として、今度どのような役割を果たせるか、一言ずつお願いします。


◆既参加青年が今後果たすべき役割
河合:個人としての立場で申し上げますと、現在の私があるのは、カナダのおかげだと感じていますので、カナダから来た人、カナダへ行く人のお世話ができればと思います。人と人をつなぐ要になりたいということですね。

芦口:私は地方に住んでいますので、活動する人が少ないと感じることがありますが、協力してくれる人はいますので、楽しく、持続的に協力していただけるような場を作りたいと思います。

得能:この事業に参加した後、青年海外協力隊に行ったり、海外の大学院に進学したりする仲間がいます。事後活動を通して、既参加青年であろうがなかろうが、同年代の仲間に、自分の人生や考え方を変えるきっかけを提供したいと思います。

大河原:昔と違って、今では学生でもアルバイトをしてお金を貯めれば、海外に行くことができる時代になりましたが、政府がお金を使って、人材育成のための事業を現在まで続けているのは、やはりこれが意義あることだからだと思います。現在では、世界の約60か国に事後活動組織があり、それぞれの政府や地域で認められるようになってきましたので、このネットワークを活用し、私たちの経験を国際貢献につなげていこうと思います。 

本日の配布資料には、IYEOの活動方針を掲載しています。「社会に活力を与えられる人材育成を目指して」ということで、変化の激しい現代社会において、これらの変化に対応して、幅広い視野を持って新しい取組を考え、実行できる人材が必要とされています。このような現状を踏まえ、50年にわたる内閣府青年国際交流事業で培われた青年育成のノウハウと、日本青年国際交流機構で築き上げたネットワークをいかした人材育成に取り組むことを大きな目標として掲げています。

酒井:大河原会長から活動方針の紹介がありましたが、まさにそれを目指しているところです。本日のディスカッションを振り返ってみますと、河合さんからは、息の長い活動の大切さを教えていただきました。芦口さんからは、地方組織の在り方についてお話しいただきました。得能さんは、若者らしい、国際社会におけるネットワークの活用方法について述べていただきました。 

50年の歴史の中で、事業の形態は「視察学習型」から「交流型」そして、「国際貢献」や「国際協力」に形を変えてきたこと、参加青年については、かつては青年活動をしている者の中から選抜され、帰国後は、事後活動や青年活動を続ける形が中心でしたが、現在では、この事業に参加してはじめてIYEOや地方組織にかかわり、青年活動を始めるというパターンが増えています。これからの青年活動のモデルをこの派遣事業を経験した青年たちがつくり上げ、日本の青年活動がさらに伸びていく要になる時代であると感じています。 

本日は、多くの方にご協力いただき、このパネルディスカッションを実施できたことを感謝申し上げ、締めとさせていただきます。ありがとうございました。

第22回「世界青年の船」事業(地方プログラム/課題別視察等)
財団法人青少年国際交流推進センター会長挨拶
 
 
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