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MACROCOSM Vol.87 発刊日2009年10月
 

Vol.87  2009年10月



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国際青年交流会議 基調講演


テーマ:「Let’s Shoku-iku」


講演者:学校法人服部学園理事長、医学博士

服部幸應氏

世界初の食に関する法律 
2005年7月15日に「食育基本法」という世界初の食に関する法律ができました。これまで食に関する法律を持つ国がなかったためか、韓国、台湾、中国、ロシア、フランス、イタリア、スペイン、エジプトなど多くの国からどのようにして食を法律にしたのか尋ねられました。確かに、これまで厚生労働省などの機関が、メタボリック・シンドロームに気をつけましょうと呼びかけることはありましたが、法律にするのは非常に難しいことでした。実際、食べることをなぜ法律にしなければいけないのかという反対もありました。しかし、私は、食は非常に重要な事柄であり、これからの人類にとって、食に関する教育である「食育」ほど大事な教育はないと考えています。 

「食育」には3つの柱があります。一つ目、「何を食べれば安全、安心、健康になれるか」、二つ目、「衣食住の伝承」、三つ目、「食料問題」です。順にお話ししましょう。


「何を食べれば安全、安心、健康になれるか」 
現在、日本の人口1億2,668万8,684人のうち、糖尿病患者の数が880万人、予備軍が1,060万人となりました。インドは、人口11億人のうち糖尿病患者は、4,100万人、中国は、人口13億人のうち、患者数は4,000万人です。人口比率から考えると日本の糖尿病患者が非常な勢いで増えていることが分かります。なぜこれほど急激に増えたのかを研究していますが、沖縄県の例をお話しします。 

日本は世界でも冠たる長寿の国で、2000年の統計では女性の平均寿命が85.99歳、男性が79.19歳で、1985年以来、女性は世界でもトップです。日本には47都道府県ありますが、その中でも沖縄の女性の平均寿命はトップ、男性は2位でした。ところが、2006年に男性だけが急に26位に落ちたのです。 

我々調査隊が行って調べたところ、ここ30年ほど、沖縄の男性の多くが、肉食を続けていることが分かりました。沖縄県の肉の消費量は47都道府県中で1位ですが、魚や野菜の消費量は全国で最下位です。日本人にはもともと肉を食べる習慣がありませんでした。それまで食べたことのない新しい種類の食べ物に体が慣れるのに、8代、つまり、200年以上かかると言われています。日本で肉を食べるようになって130年くらいですから、まだ日本人の肉に対するDNAの許容量は未熟なのです。日本人のDNAの中には、肉食による脂肪が増えても、それにすぐに対応できる能力がないのです。 

沖縄だけでなく他の県でも少しずつ食生活が変化しています。食生活が変わったため、身長が伸びるなど良いこともありましたが、生活習慣病が急増し、もっと食事に注意を払わなければならないことを痛感しています。そのため、食育の一つ目の柱である「何を食べれば安全であり、安心で、健康になれるか」を選ぶ能力は非常に重要です。

「衣食住の伝承」 
二つ目の柱は、「衣食住の伝承」です。かつての日本では大家族が普通でしたが、現在では核家族化しています。お姑さんとお嫁さんが一緒に住まないので、協力して子どもをしつけることもなくなっています。最近では、はしをうまく使えない若者が増えてきましたが、家族が一緒に食事をする機会が少なくなったためと思われます。かつては、各家庭で食事の際に、「そのようなはしの持ち方はおかしい」と言って、子どもに正しいはしの持ち方を教えていたものですが、今では、家族そろって食事をする回数自体が少なくなっているのです。どのくらい減っているかというと、一般的な年間の食事回数は1,095回ほどあります(1 日3回x365日=1,095回)が、今の子どもたちが家族で食事をするのは300回くらいです。ちなみに、現在60歳代の人は、800回くらいはありました。子どもが自分で食べられるようになる3歳頃から8歳くらいまでの6年間に家族で一緒に食事をすることが非常に重要なのに、今や「孤食」といって、一人で食べたり、テレビや漫画を見ながら食べたり、ゲームをしながら食べたりする子どもが増えています。 

この「孤食」の影響は様々なところに現れています。昔は相手の目を見て話をしたものですが、最近では会話中にテレビの画面を見ているような、まるで、人間と人間が話しているのではないような不思議な感覚にとらわれることがあります。私は今、8つほどの大学で客員教授として教えていますが、ある大学の教授が、最近、あいづちを打って話を聞く学生が少なくなったとおっしゃっていました。確かに、話をしていても、分かったのか分からないのか反応のない人が多いように思います。「孤食」など人と人とのつながりが薄れているせいではないかと心配しています。

財団法人 青少年国際交流推進センター理事長 挨拶
第22回「世界青年の船」事業(地方プログラム/課題別視察等)
 
 
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