
平成20年度 青年社会活動コアリーダー育成プログラム
第7回「NPOマネジメントフォーラム」提言

現代の複雑化している社会においては、様々な問題が起こり、今までの枠組みでは解決できないような課題が出ています。
そうした状況の中で、NPOの果たす役割に大きな期待が寄せられています。政府や地方行政と連携して施策をゆきわたらせるとともに、企業との連携をはかり社会に活力を与える活動への取り組みや、きめ細やかな対応を可能にすることができるのがNPOの良さです。
こうした活動をより推進するためには、多くの有能な人材が必要であり、その育成が急務です。
今回の第7回「NPOマネジメントフォーラム」で、私たちは、人材育成について次の3点に着目して話し合いました。
1. 組織運営マネージャー育成への取り組み
私たちは、組織運営マネージャーには、明確なビジョンを持ち、それを達成するために、構成員のモチベーション、価値観及び努力を束ねていく能力が必要と考えました。 そして、そのような組織運営マネージャーを育成するために次のような取組を考えました。
■NPO、連携組織、政府から学んだ適切な評価モデルを活用し資質向上を図る。
■本来もっている能力を発揮できるための環境を整える。
■ソフトスキル、特にコミュニケーション能力を高める。
■経験年数に応じた組織運営マネージャー総合研修を行う。
これらのことは、自己の属するNPOだけでは実現しにくいこともあります。そのため、行政による今回のような「NPOマネジメントフォーラム」や、企業によって提供される様々な情報をうまく活用し、関係団体等との連携を図りながら、社会に貢献できるNPOを運営する組織マネージャーを育成していきたいです。 そして、組織運営マネージャーとして今を見つめることと、次世代のマネージャーを育てていくことに誇りを持って取り組んでいきたいです。
2. 事業運営マネージャー育成への取り組み
事業運営マネージャーは遂行される事業の質を左右し、事業成功のための重要な役割を担う存在です。 「NPOマネジメントフォーラム」での国を超えた共同作業の中で、私たちは事業の成功に不可欠なスキルを議論し、特に優先すべき事項を特定しました。
■明確な事業目標の設定
■内部及び外部の専門性を持った人材の活用
■効果的なコミュニケーションの維持
■有益なネットワークの構築
■確実な資金調達
■過去の事例を活かした事業運営の改善
事業運営マネージャーが効果的に活動を実施するためには、指導・育成、ワークシャドーイングの実施など職務を通じての研修(OJT)と、セミナーや研修への参加、オンライン・トレーニング、外部講師の招へいなど職務を離れての研修(Off-JTとを組み合わせることによって、これらのスキルを向上させる機会が必要です。 したがって、NPOセクターが政府・企業との協力の下に研修・能力開発のシステムを強化することが重要です。
3. ボランティアをまとめていくリーダー育成への取り組み
「NPOマネジメントフォーラム」を通じて、私たちは、効果的なボランティア・リーダーになるためには、リーダーシップ、マネジメント、コミュニケーション能力が求められるという認識を共有しました。同様に、他のボランティアを、支援し、育成し、彼らの士気を高める能力が必要不可欠です。
上記の資質を高めるために、まず、個々のボランティア・リーダーのトレーニングと育成のニーズを把握する必要があります。そして、個々のニーズにあった柔軟な取り組みが求められます。その事例としては、メンタリング、トレーニング、ネットワーク構築可能な場への参加などを含みます。育成の具体的な方法としては、振り返りの記録や、個々の強み・技能・性格を認識すること、などが挙げられます。
このような取り組みが効果的に機能するためには、モニタリングや評価を行う必要があります。以上のことが、ボランティア・リーダーを成功へと導くことになります。そして、ボランティア・リーダーの継続のためには、彼ら自身が価値ある存在と感じてもらえるように、活躍を認識し、感謝の意を示すことが重要です。
今後私たちは、この提言をもとにして、自分が所属する団体において、政府や地方行政そして企業と連携して、より力のある人材の育成に取り組み、社会に貢献できる組織として発展することを目指します。また、今回のプログラムで得た人的ネットワークを継続させ、事業の成果をより充実させるよう努力します。
第7回「NPOマネジメントフォーラム」参加者一同