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HOME > 日本・ASEANユースリーダーズサミット基調講演録(明石康氏)
MACROCOSM Vol.102 発刊日2013年5月
 

Vol.102  2013年5月



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第39回「東南アジア青年の船」事業

日本・ASEANユースリーダーズサミット

Japan-ASEAN Youth Leaders Summit 2012


  • 基調講演:グローバル社会のためのリーダーシップ
    Keynote Speech: Leadership for the Global Society

日 付:平成24年10月30日(火)
講演者:明石 康 氏 (国際文化会館理事長、元国際連合事務次長)

(英語による講演の日本語要約)
(英語による講演の日本語要約)

今回、アセアン10か国と日本の若い皆さんにお話しできる機会を得られ、光栄に思います。第39回「東南アジア青年の船」事業で、アセアンと日本から500名の方がここに集っています。大部分の方は10月24日から12月13日までの約7週間の事業に参加し、7か国を訪問します。ディスカッション活動を行い、船上で生活を共にし、異なる国の若い人と出会い、とてもうらやましく思います。みなさんにとって極めて価値のある機会になるでしょう。お互いに出会って知り合うという経験から、自然と温かい友情を育み、相互の信頼へとつながることでしょう。今回の経験が国際理解のための貴重な資産として今後の人生の糧となることを願っています。私は約40年、国連を中心に海外で仕事をしました。20代後半に様々な国の外交官と出会いました。彼らは自国に残ったり、政府やその他の機関で働いたりしていましたが、定期的に会うことで友情を新たにし、パーティーを開いたり、国際情勢について白熱したディスカッションをしたりした思い出があります。例えば、国連総会第5回委員会で出会ったエジプトの外交官とはお互いの自宅を行き来していましたが、彼は昨年ムバラク政権が変わるまでエジプトの外務大臣を務めていました。このように、皆さんが若い時の友情は、その後何年も続き、人生に価値をもたらすものです。


グローバル社会に生きて
 私たちは、激変するグローバル社会に生きています。インターネット、携帯電話、テレビ、その他様々な方法で得られる情報量は膨大です。情報は瞬く間に伝わり、地球の反対側で起きていることがすぐに私たちに伝わります。今、アメリカの東海岸に近づいている大きな台風について、皆さんもご存知でしょう。ワシントン、ボルティモア、パデュー、ニューヨーク、ボストン等の東海岸のアメリカ人たちは、この大きな台風の猛威に対し、準備しているに違いありません。大統領候補たちも選挙キャンペーンを中止し、東海岸にいる人々に注意を促しています。このように、情報は数日で即座に伝達されます。私たちは飛行機の時代に生きているわけですから、皆さんも数時間で日本の外から日本に来ることができます。東京から韓国の首都ソウルへは、たった1時間15分しかかかりません。ソウルと中国の首都北京は、たった1時間半です。日本の国内線よりも短い時間のこともあります。国際関係は変化し、国同士の関係はより厳しくなっています。同じことが経済関係にも言えます。金融関係はとても密接で、為替相場の変動を常にチェックしておかなければなりません。日本国内では、円高のために日本が他の国と貿易をする際に不利だと不満を抱いている人が多くいます。しかし、円高は、他国からの日本の経済力と金融制度への強い信頼を反映しています。皆さんのような若い方は、文化、芸術、音楽、アニメ、スポーツのほうに興味を持っているかもしれません。これらは全て文化交流の側面です。政治的な関係や外交活動においても、多くの国同士が密接にかかわっています。例えて言うと、私たちは皆、同じ船に乗っているのです。特に、皆さんは比喩的にではなく、文字通り同じ船に乗りますが、世界の人々は「地球」という大きな船に乗っているわけです。ですから、交流やコミュニケーションはとても敏速に行われ、多くの場合個人的な関係や友情を育んでいます。

グローバル人材に必要な三つの能力
 日本では、若い人々をグローバル人材に育成しようという関心が高まっています。日本は、アジアの北に位置する島国ですので、東南アジアの国々のように、日本語以外の言葉使って日本人以外の人々と話す機会がそれほどなく、英語を含めた外国語が下手だと思います。ここ数年、日本政府、経済界や非政府組織は、どのように日本人を海外へ進出させ、いかに他の国の人々と一緒に働けるだけの能力を伸ばすのか議論してきました。政府の全面的な協力のもとに立ち上げられた委員会は、私もそれに参加しているのですが、グローバル人材には三つの能力が必要だという結論に達しました。一つ目は、外国語でコミュニケーションをする能力、二つ目は受け身ではなく、自分が主体的に行動する姿勢です。言い換えれば、チャレンジする精神力、他人・権威・学校の先生や教授の意見などに挑戦しようとする姿勢です。三つ目は、理解する能力で、自分の文化だけではなく他の文化を理解する能力です。そのためには、自国以外の文化に対し、深い畏敬の念と知的な好奇心を持たなければなりません。コミュニケーション能力、課題を受け止めようとする肯定的な姿勢、他の文化に対する尊敬や評価、称賛。これらは、グローバル人材の本質的な要素です。このような要素を考える時、基本的な態度として大事なことは、「お互いの文化、考え方、行動様式を尊重する」ことです。外国語でコミュニケーションを図る能力は、コミュニケーションと相互理解のための方法であり、手段です。
 日本人の多くは家父長的な環境でしつけられていますので、少し内気な傾向があります。もちろん、今日の日本の若い世代は、私が若かった時の世代の若者よりは内気ではないと思いますが、他の国と比較すると、中国や韓国と比べても、全体的に日本人はz気で、自分の意見をあまり言わないほうでしょう。しかし、この傾向は変化しています。皆さんの船での経験が、日本人のこのよう自己表現の傾向を変える有効な手段になることを期待しています。

 同時に、皆さんの国としてのアイデンティティーを失わないこと大切だと強調しておきます。私たちはグローバル化した世界で生きていますが、自分の文化、伝統、習慣、先祖から受け継いできたものを忘れてよいということではありません。ほかの国からもたらされる良いものを受け入れることと、自国の先祖、両親、先生から引継がれた良いものとのバランスを維持する必要があります。


ステレオタイプを乗り越える
 様々な人々と迅速なコミュニケーションができるこの時代において、皆さんが他の国に対してステレオタイプを持っているとは思いません。もっと現実に即した特定のイメージを抱いているはずですし、それは良いことです。しかし、他の人を個人としてではなく、集合体として見なす傾向があるかもしれません。確かに、ステレオタイプは避けられないものです。例えば、皆さんの多くは、アメリカ人に対するステレオタイプを持っているかもしれません。アメリカ人は、積極的に発言し、率直で友好的な性格で、時には自分の考えを他の人に押し付けようとするなどです。このステレオタイプを壊そうとしてみてください。アメリカ人の中にも、内気で、どちらかというと消極的な人もいますし、日本人の中にも積極的に発言する人がいるからです。ですから、すべてのアメリカ人がこのステレオタイプに当てはまるわけではないのです。

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