マクロコズム第125号(令和元年度第1号)の刊行に当たり、一言御挨拶させていただきます。
本号は平成6年11月に第1号が発行されて以来、通算第125号となります。本誌は内閣府(旧総理府/旧総務庁)等の国際交流事業を通じて参加者が培ってきた国際感覚と国内外のネットワークを活用して行われた数々の活動の成果を報告し、それらを更に活発化させることを目的としています。
本誌にも年間を通じて掲載している当センター自主事業の一つ「国際理解教育支援プログラム」は、在日外国青年等を学校等に派遣して国際理解や異文化理解の促進を目的としています。本プログラムの質の高さや教育効果を学校の先生方に御理解いただくようになり、実施を希望される学校からの御依頼に応える形で平成30年度は7回実施しました。
例年、御好評をいただいている「タイ王国・スタディツアー2019」では、孤児や難民、障がいを持つなど社会的困難を抱える子供たちが生活する児童養護施設を訪問し、また、児童養護施設の子供たちと世界各国のボランティアがタイの海軍施設でキャンプや海水浴等を行う「For Hopeful Children Project(FHCP)2019」に参加し、子供たちと共に生活することを通じて、国際協調の精神を養いました。
国際交流活動のリーダー育成を目指した「国際交流リーダー養成セミナー」では、内閣府事業の既参加青年が代表理事を務める一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)のシニア・ダイバーシティ・ファシリテーターである鈴木大樹氏を講師にお招きして、「カードゲームを通して、SDGsを自分事化する」でSDGsについて考える機会としました。
当センターは、これらの諸活動を通じ、今年度も役職員一丸となって、地域の国際化への対応と世界中にネットワークを持つ青年リーダーの育成に、更に熱意と努力を継続していく所存です。変わらぬ御支援、御協力をお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。
地域での国際交流活動に関心と意欲のある青少年を内閣府の青年国際交流事業既参加青年の組織のある国に派遣し、ボランティア活動への取組や訪問国青年の案内による視察、調査等を行う。
年2回 9日間、参加人数 20人程度
国際理解の促進を図るため、国際交流に携わる指導者の養成を行う。
年1回 東京で開催、参加人数 20人程度
内閣府の実施する青年国際交流事業に参加した在日外国青年等を、国際理解教育に資するため、日本の学校に派遣する。
年6回 派遣人数 各3人程度
内閣府主催の「国際社会青年育成」事業の中で、テーマに基づいた視察やディスカッションプログラム等を共催で行う。
年1回 東京で開催、参加人数 160人程度
全国各地域で国際交流に携わる指導者及び青年を対象に、有識者の講演、青少年国際交流活動に関する事例発表・討論等を行う。
年1回 京都府で開催、参加人数 300人程度
全国8ブロックで開催。令和元年度は次の各府県で開催する。
北海道・東北ブロック・・・宮城県 関東ブロック・・・群馬県 北信越ブロック・・・福井県国際交流に関心のある青年を対象に、青年国際交流事業参加者による報告会を行い、国際交流事業への参加を促す。
年3回 東京で開催、来場者数 各150人程度
当センターの幹事推進委員及び都道府県団体会員の都道府県推進委員の出席のもと、会議を行う。
年2回
全国の地域や職域及び海外において行われている青少年国際交流活動の紹介などを中心とした情報誌「MACROCOSM(マクロコズム)」を発行し、都道府県を中心とする関係機関及び一般に配布する。
季刊 12,500部 1回 1,300部 3回
全国の地域や職域及び海外において行われている青少年国際交流活動の実施状況など、青少年国際交流に関する情報や資料を収集、整理した年報を作成し、国際交流実施団体等に配布するとともに、政府刊行物センター等において販売する。
年1回発行 400部
青少年国際交流事業に関連する各種資料を作成し、都道府県を中心とする関係機関に配布する。
全国各地域で行われる青少年の国際交流活動を推進する。
国際交流活動の一層の活性化を図るため、都道府県団体会員に対し、活動奨励金を交付する。
青少年国際交流事業の実施を希望する団体を対象に、青少年国際交流事業の企画、実施に関する相談に応ずる。
依頼に応じて国際協力、国際貢献に関心のある青少年に対し、国際協力、国際貢献を行う活動団体、活動内容等を紹介する。
一般財団法人青少年国際交流推進センターは、日本の学校等へ内閣府青年国際交流事業に参加した経験がある在日外国青年等を講師として派遣し、国際理解教育支援プログラムを行っています。2019年1月10日(木)に東京都立大塚ろう学校城東分教室で実施した「インド文化を知ろう」というプログラムを紹介します。この実施により、通算実績75回となりました。
2019年1月10日、大島の大塚ろう学校を訪れる機会がありました。1年生から6年生までの27名が国際理解のセッションに参加し、プレゼンテーションと実際の体験をとおして、インド文化の様々な面について学びました。
子どもたちは、西インドの新年のお祭り「グディ」がどのように行われるかを見ました。私が伝統衣装の「サリー」を着るのを見て、大喜びしていました。実際には5mもの布地をまとうのだと知ってびっくりしていました。女の子たちは「パンジャビ・ドレス」というインドの伝統的な普段着を試着しました。額に「ビンディ」をつけてかわいらしく見えました。
砂を使って絵を描く伝統工芸の「ランゴリ」に挑戦して大いに盛り上がりました。最後に、野菜のインドカレー作りを楽しみ、いろいろなスパイスの香りや風味を学びました。
子どもたちが非常に熱心に外国の文化を学んでいるので、私にとっても有意義な体験になりました。先生たちが支援してくださったおかげで、いきいきとした楽しいセッションになりました。このすばらしい機会を与えてくださった青少年国際交流推進センターに感謝しています。
日付 | 2019年1月10日(木) |
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担当者 | 田村道明 先生 |
対象 | 全学年(19名)5、6年生(8名) |
目的 | インド文化を知ろう |
プログラム |
【全学年】 インド文化の紹介 (基本情報、食べ物、動物、スポーツ、インドの多様性・地域差) 民族衣装の試着、砂絵「Rangoli」の体験 【5、6年生】 インド料理(野菜カレー)の調理実習 |
派遣講師 | Ms. Aparna Phatak(インド) |
総合的な学習の時間を通して、オリンピック・パラリンピック教育の一環として、国際理解のための交流授業を実施しました。3回目の今年は、インドの先生に来ていただきました。
「ナマステ!」元気な挨拶から授業が始まり、インドについてのお話を聞きました。隣の町の人と言語が違うこともあるそうで、学校の学習も母語、ヒンディー語の他に、英語とドイツ語を学ぶということに、子供たちはとても驚いていました。また、実際にサリーを着ることができ、華やかな柄のサリーを着た子供たちは、お互いのサリーを見合い、「かわいいね」と喜んでいました。サリーと同様、額につける飾り「ビンディ」を額につけ、とても楽しんでいました。
その後、「ランゴリ」の体験をしました。実際に先生が見本を示してくださり、初めて見る色鮮やかなランゴリに、「うわーすごい」と感銘を受けていました。子供たちも実際にやってみましたが、先生のように上手くいかず、何度も繰り返してはランゴリに挑戦していました。
全体でのお話が終わった後に、5・6年生がカレー作りを行いました。前日から、「インドといえばカレー」と言いながら、今回の学習で最も楽しみにしていた活動です。先生の指示のもと、「玉ねぎが目にしみる」と涙を流しながらも友達と協力をしながら取り組みました。ターメリックやクミン、パクチーの種などのスパイスを使い、私たちが普段口にするカレーとは一味も二味も違う「インドカレー」が完成すると、「味見をしたい」という子供たちが多く、給食の時間が待ちきれない様子でした。給食の時間に美味しいインドカレーを全学年で堪能しました。
学習を終え、子供たちは「家でもインドカレーを作りたい」「家でもやりたいので、ランゴリの粉が欲しい」「また、先生に遊びに来てほしい」など、感想を嬉しそうに伝えていました。
今回、サリーを実際に着たり、ランゴリに挑戦したり、カレー作りをしたりしてインドの文化に触れることができました。そして、インドを身近に感じることができました。
今後は、この経験が子供たち一人一人の成長につなげていけるように学習を進めたいと思います。
本当にありがとうございました。
2019年3月3日(日)、一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)のシニアダイバーシティ・ファシリテーターである鈴木大樹氏を講師としてお迎えし、国際交流リーダー養成セミナーを実施しました。
今回は「カードゲームを通して、SDGsを自分事化する」というテーマで、SDGsに興味関心のある27名が参加しました。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、国連が定めた2016年から2030年の15年間を達成期間とする「持続可能な開発目標」のことです。SDGsを頭だけで理解するのではなく、自分に関係がある身近な事柄としてとらえられるようカードゲームが開発されました。セミナー参加者たちは、カードゲームを通してSDGsを理解し、目標達成のために自分たちには何ができるのかを考えました。
まず、鈴木講師から、GiFTが企業や大学、学校などで実施しているSDGsに関連するプログラムの紹介、そして異文化体験や国際交流における「経験」と「学び」の主体性についてお話いただきました。また、世界はもちろん、自治体や企業、学校教育おけるSDGsを取り巻く潮流についても紹介がありました。
その後、2~3人ずつのグループに分かれてSDGsカードゲームを行いました。途中で振り返り時間を設け、グループの目標を達成するには自分たちが世界とどのように関連しているかを知り、グループの枠を越えて皆で目標を達成し、より良い世界にしていくための協調性、働きかけの方法を体験しました。
参加者からは、「自分自身何ができるか、具体的なアクションにつなげていきたい」「ゲームを通して多様性を認め、認めた上で対話を用いてコミットすることの大切さを実感した。多様性は当然の土台であり、そこからコラボできるような行動を起こしていきたい」「身近にある認証マークに目を向けることや日常生活でどのようなことがSDGsの達成につながるかイマジネーションを広げていきたい」などの感想がありました。
一般財団法人青少年国際交流推進センターの自主事業「タイ王国・スタディツアー2019」が、平成31年3月25日(月)~4月2日(火)に実施されました。
このスタディツアーは、タイの児童養護施設を訪れ子供たちの生活環境を知ることと、現地で行われる青少年健全育成プロジェクト「For Hopeful Children Project (FHCP) 2019」にボランティア・スタッフとして参加し、現地の実行委員と協働して子供たちをサポートすることを組み合わせたプログラムで、今年は、大学生と社会人を含む参加者19名と同行職員2名の合計21名が参加しました。
スタディツアーでは、国際協力活動の実践とともに、参加者の国際協調の精神を養います。また、現地の青少年育成について理解を深めることで、日本とタイの友好関係や連携を強化し、国際社会の進展する時代にふさわしい青少年の育成に寄与することを目的としています。
月日 | 活動内容 |
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3月25日 (月) |
バンコク集合 |
3月26日 (火) |
チョンブリー県へ移動 |
FHCP2019 | |
開会式 海兵隊によるドッグ・ショーやパラシュート・デモンストレーション、海水浴、参加団体によるパフォーマンス披露 |
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3月27日 (水) |
FHCP2019 |
軍用船乗船体験、海兵隊訓練体験、サッカー教室 日本文化紹介ブース、海水浴、参加団体によるパフォーマンス披露 |
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3月28日 (木) |
FHCP2019 |
閉会式、子供たちを見送り | |
バンコクへ移動、夕食 | |
3月29日 (金) |
カーンチャナブリー県へ移動 |
子供の村学園ムーバーンデックでの活動 | |
子供たちと川遊び 子供たちと交流(折り紙、縄跳び、けん玉、書道、フリスビー、ダンス、リレーなど) 施設内のゲストハウス(伝統的高床式木造住居)に滞在(3泊) |
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3月30日 (土) |
子供の村学園ムーバーンデックでの活動 |
施設内清掃活動 施設内見学(きのこ栽培所、野菜温室、農園、教室、講堂、紙すき工房など) 先生から学園について説明・質疑応答、子供たちと川遊び、施設の子供2名にインタビュー |
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タンマヌラックでの活動 | |
施設内見学(幼稚園、食堂、教室、浴場、洗濯場など) 子供たちと交流(折り紙、ボール遊び、書道、フリスビー、縄跳び、騎馬戦など) |
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3月31日 (日) |
子供の村学園ムーバーンデックでの活動 |
子供たちの活動視察・体験(編み物ペットボトル入れ) 子供たちと交流(綱引き、ドラム缶割り、水風船など)、子供たちと川遊び、パフォーマンス披露 |
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4月1日 (月) |
サムットプラーカーン県(バンコク郊外)へ移動 |
FORDEC幼稚園での活動 | |
子供たちと交流(文化紹介交流、折り紙、ボール遊び、縄跳びなど) 支援家庭(近隣の低所得層家庭)訪問 |
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4月2日 (火) |
バンコクにて解散 |
FHCPは、第2回「東南アジア青年の船」事業のタイの既参加青年であるウィスィット・デッカムトーン(Mr. Visit Dejkumtorn)氏が、自身のネットワークをいかし1991年に始めた事業で、非営利団体Fund for Friends(FFF)が毎年実施し、今年29年目を迎えました。
孤児や難民、山岳少数民族、障がいを持っている子供たちなど、社会的困難を抱える子供たちを「希望あふれる子供たち(Hopeful Children)」と呼び、彼らをチョンブリー県にあるサッタヒープ海軍施設(Satthahip Naval Base)に招いて、2泊3日、海水浴などの活動を行います。子供たちと引率者、そして、タイとフィリピン、日本などからのボランティアを合わせ、参加者総勢約1,000名の一大プロジェクトとなりました。
タイ各地から集う子供たちの会場までの移動手段であるバスやその燃料、食材の野菜、米や油その他、FHCPの運営に必要なもの全てが、企業・団体・個人の寄付によって賄われています。地元企業による協賛やチャリティーによる食べ物の屋台が出て、子供たちに料理やおやつが振る舞われました。
海水浴の安全管理や会場運営において、タイ王国海軍・海兵隊の兵士たちが全面協力しました。期間中、子供たちは、海兵隊のドッグ・ショー、パラシュート・デモンストレーションや、軍用船乗船体験、サッカー教室、各団体によるワークショップなどを楽しみました。
CFBT(Christian Foundation for the Blind in Thailand) |
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CFBTは、タイ王室プロジェクトを行う財団で、タイ全土に視覚障がい者の支援施設を有し、約2,000人の視覚障がい者を支援しています。今年は、バンコク及びナコーンナーヨック県の施設から子供たちが参加しました。同団体は、地域のサービスセンターが管轄する地方保健所や国内外の非営利団体と協力体制を構築し、失明予防を目的とした活動も行っています。施設には、視覚障がいとともに、精神障がいや身体障がいなどの重複障がいを抱えている者も多くいます。 |
カミリアン・ホーム |
カミリアン・ホームは、イタリア出身のカトリックの司祭ジョバンニ・コンタリン(Father Giovanni Contarin)氏が1987年に、孤児や虐待された子供、障がい児、HIV/AIDSと共に生きる子供等のために設立した施設です。タイ全土に複数あるホームの内、チエンライ県にあるホームから子供たちが参加しました。 |
ファーザー・レイ財団 |
アメリカ合衆国出身のカトリックの司祭レイ・ブレンナン(Mr. Ray Brennan)氏が1974年に、孤児や虐待された子供、障がい児等の受入れのため設立した施設です。文字通り、多くの子供の「ファーザー(父)」として、子供たちの教育や生活の支援を続けました。2003年、彼の葬式には多くの子供たちが参列、また彼の功績を称え、国王の名の下、タイ王室から墓に埋葬される「王室の土」が贈られました。 |
感謝の家 |
バンコクの北、ノンタブリー県で2012年1月に運営を始めた非営利団体で、知的障がいやその他の障がいを持つ若者(その多くは若い女性)の自立支援をしています。職業訓練として理髪、タイマッサージ、タイ舞踊、音楽、芸術、英語などの技能を身につける支援もしています。 |
チャンタブリー特別支援教育センター |
タイ東部チャンタブリー県にある、自閉症や知的障がいを持つ子供たちを対象にした児童養護施設です。 |
ラヨーン子供福祉保護センター |
タイ中部ラヨーン県から、両親のいない又は育児のできない家庭出身の子供たちが参加しました。 |
グッド・シェパード少女・女性の家 |
世界中の少女や女性のために活動を広げるグッド・シェパード財団は、タイ各地でも少女や女性が教育・技能訓練を受けられるためのプロジェクトを実施しています。 |
バンコク難民センター |
バンコクで一時的庇護を受け、将来的には第三国定住を目指している難民の子供たちが参加しました。子供たちの出身地域は、シリア、パキスタン、バングラデシュ、ベトナムを始め、アジア、アフリカなど、世界各地に及びます。 |
タイ北部山岳少数民族の子供たち |
タイ北部山岳地域にはたくさんの少数民族が暮らしており、今でも独特の文化や伝統、生活習慣が残っています。今回は、チエンマイ県の子供たちが参加しました。山岳地域出身の子供たちにとって、FHCPへの参加は白い砂浜や青い海を見ること自体が稀で大変貴重な機会です。 |
子供の村学園ムーバーンデック (カーンチャナブリー県) |
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1979年設立の子供財団が運営する学園。両親のいない又は貧困・家庭崩壊などの事情で育児のできない家庭出身の小学生以上の子供たち約120名が、大自然に恵まれた環境で共同生活を送る場であり、タイ教育省から認可を受けた学校でもあります。 創始者ピボップ・トンチャイ(Mr. Pibhop Dhongchai)氏の理想は、子供と大人が平等に生活できる学習の場を作ることであり、タイ国内で行われている型にはまった教育方法でなく、より優れた教育方法を求め実践することを目的に設立されました。子供たちが既成の概念にとらわれることなく、自分たちに最も適切なやり方(「オルタナティブ教育」と呼びます)を受けることができる小さなコミュニティです。このようにしてできあがったこの学園の最大の目的は、自由と自治を通して、子供たちが自分自身を完全に理解し、人生の意義を発見できるようにすることです。 |
タンマヌラック (カーンチャナブリー県) |
仏教の尼僧が2000年に設立した児童養護施設で、少年僧や少女の尼僧、また、タイ・ミャンマー国境地域で生まれた少数民族(カレン族、モン族等)の子供たち約110名が共同生活を送っています。 |
FORDEC(フォーデック)幼稚園 (サムットプラーカーン県) |
FORDEC(フォーデック)は、低所得層家庭などに対する生活支援を行うために、1998年に設立された非営利団体です。支援を受けている人の中には、障がい者、ホームレス、麻薬中毒者、虐待を受けた経験を持つ人などもいます。創始者アムポン・ワッタナウォン(Dr. Amporn Wathanavongs)氏は、自身が身寄りのない孤児として、住む家もなく、食べるものも十分にない生活を送った経験から、自分と同じ体験をしてほしくない、という思いで、困難を抱えた全ての人々に対する愛と心配りのため自身の人生をささげる決意をしました。 今回のスタディツアーでは、サムットプラーカーン県にある同団体が運営する幼稚園を訪問し、近隣の低所得層家庭から通ってくる子供たちと交流した後に、彼らの住宅訪問を行いました。幼稚園には、就学前の子供たち約200名が通っています。 |
今回のタイ王国スタディツアーへの参加は、私にとって非常に大きな経験であり、今までの人生の中で最も濃い10日間だったと思います。たくさんの子供たちやボランティアに出会い関わっていく中で、多くの楽しい思い出と新たな学びを得ることができました。私が特に感じたことを主に三つ紹介したいと思います。
まず、最も大切なことは、子供たちと真摯に向き合うことであると感じました。FHCPに参加した際、飛び交うタイ語に戸惑い、子供たちに話しかけてみたものの何を言っているのか分からず、言葉の壁を感じて受け身のコミュニケーションになってしまいました。しかし、子供たちが私たちの到着を楽しみに待っていてくれたことを知り、気持ちを切り替えて、常に笑顔で接すること、積極的に一緒に遊ぼうと心に決めました。すると、名前を呼んで抱きついてくれたり、一緒にダンスをしようと私の手を引いてステージまで連れて行ってくれたりと、子供たちは温かく迎えてくれました。私も、子供たちの無邪気にはしゃぐ様子を見て自然と笑顔になり、言語の違いが気にならないくらい純粋に楽しむことができました。言葉やコミュニケーションの壁を作っていたのは自分自身だったのかもしれないと考え直し、自分のとらえ方次第だということを実感しました。このことに気づいてからは、なるべく多くの子供たちに話しかけたり、海で一緒にゲームをしたりなど子供たちと同じ目線に立って思い出を共有することができました。
さらに、今回のボランティアは、子供たちのためだけではなく、子供たちの周りの人たちも巻き込むことができたことに意義があると感じました。一例として、タンマヌラックとフォーデックでの私の体験を紹介します。私は、FHCPで受け持った担当がタンマヌラックの子供たちだったため、彼らと関わる機会が多くありました。その中で、子供たちを優しく見守る先生方の姿が目に入り、先生方とも話してみたいと思い、話しかけることができました。先生方は温かく私を受け入れてくれ、私がボランティアに来た理由や、子供たちの笑顔が絶えないことを願っているといったことを話すと、コップンカーと言って涙を浮かべながらハグをしてくれ、最後には手作りのお守りをくれました。先生方も私たちが来るのを心待ちにしていてくれたんだと思うと、本当に来てよかったと思い胸が熱くなりました。
また、タンマヌラックに加え、フォーデックの幼稚園でも印象深いことがありました。帰り際に一人の女の子と遊んでいる最中にお迎えが来たのでバイバイしようとすると、おもむろにその子が私の手を引いて、女の子のお母さんのもとに私を連れていきました。女の子は私を指さして、このお姉さんはボランティアなんだよ、と言うように、嬉しそうにお母さんに私を紹介してくれました。するとそのお母さんは初めて会ったにもかかわらず、コップンカーと言って微笑んでくれました。これらの二つの経験を通して、私たちが施設を訪問して子供たちと触れ合うことは、子供たちの周りの大人も望んでいることだと分かり嬉しく思ったのと同時に、私たちが施設を訪問する意義を改めて実感しました。
子供たちのキラキラした笑顔を見ることができた一方で、実際に彼らの住んでいる家を訪問し、苦しい状況にあることや格差のある環境を目の当たりにしました。今までニュースや本でしか見たことのなかった現状を初めて自分の目で見て、貧困地域に住む人々はゴミを拾ってお金になるものを売って生計を立てているという話を聞き、衝撃を受けました。同時に、不便な生活環境からはとても想像できない、無邪気にはしゃぐ子供たちの健気な姿を見て、胸が締め付けられるようなやりきれない思いがしました。フォーデックの幼稚園からホテルに戻る途中にバスから見えた街並みも、高級住宅と草木が生い茂る平屋の家が混在していて、はっきりと見える格差が存在していることを痛感させられました。あの時に実際に行ってみて初めて分かったことは、私にとって非常にショックな経験でしたが、この現実から目を背けてはいけないと強く感じました。
日本に戻ってからも子供たちの純粋な笑顔を思い出し、あの子は元気かな、何をして過ごしているのかなと思うことが多々あります。この10日間で子供たちのまっすぐさ、たくましさに触れ、Visitさんの言う「すべての子供たちは希望にあふれた子供たちだ」ということを身をもって実感できました。また、同じボランティアの仲間からもたくさんの刺激を受け、本当に充実した10日間だったと改めて思い返しています。これからもこのプログラムで得た気づきや経験、その時感じた思いを忘れず、自分にできることを探していきたいと思います。
On 10th January 2019, I had the opportunity to visit Otsuka Ro (deaf ) school in Ojima, Tokyo. 27 students from grade 1 to grade 6 attended the session on international understanding wherein they learnt various aspects of Indian culture through presentation and hands-on experience.
The students saw how a ‘Gudi’ is erected, which is a part of new year celebration in western India. They were thrilled to see me wear the traditional costume ‘saree.’ It was a big surprise for them to learn that it is actually a piece of 5 metres long fabric draped in a typical way. The girls tried out ‘punjabi dresses’ –another type of Indian traditional costume worn in daily life. They looked cute with ‘bindi’ on their foreheads.
The ultimate joy for all was to try drawing a ‘Rangoli’-a traditional art of drawing pictures using a type of sand. In the end, we had an enjoyable session of cooking Indian curry-made of veggies, where the students learnt about the flavors and fragrances of various spices.
It was an enriching experience for me as the students were very enthusiastic and eager to learn about a foreign culture. They were well supported and encouraged by their teachers and so it turned out to be an interactive, fun-filled session. I thank the Center for International Youth Exchange for providing me this wonderful opportunity.