マクロコズム第121号(平成30年度第1号)の刊行に当たり、一言御挨拶させていただきます。
本号は平成6年11月に第1号が発行されて以来、通算第121号となります。本誌は内閣府(旧総理府/旧総務庁)等の国際交流事業を通じて参加者が培ってきた国際感覚と国内外のネットワークを活用して行われた数々の活動の成果を報告し、それらを更に活発化させることを目的としています。
本誌にも年間を通じて掲載している当センター自主事業の一つ「国際理解教育支援プログラム」は、在日外国青年等を学校等に派遣して国際理解や異文化理解の促進を目的としています。本プログラムの質の高さや教育効果を学校の先生方に御理解いただくようになり、実施を希望される学校からの御依頼に応える形で平成29年度は5回実施しました。
また、昨年度は海外政府視察団受入コンサルティングとして、スリランカ県議会及び地方政府省(MPCLG)幹部職員等の視察団及びスリランカ政府ウバ州議会議長等視察団の受入れを行い、視察団の興味関心に合わせた訪問先、研修内容等を提供することができました。
例年、御好評をいただいている「タイ王国・スタディツアー2018」では、孤児や難民、障がいを持つなど社会的困難を抱える子供たちが生活する児童養護施設を訪問し、また、児童養護施設の子供たちと世界各国のボランティアがタイの海軍施設でキャンプや海水浴等を行う「For Hopeful Children Project(FHCP)2018」に参加し、子供たちと共に生活することを通じて、国際協調の精神を養いました。
国際交流活動のリーダー育成を目指した「国際交流リーダー養成セミナー」では、内閣府事業の既参加青年が代表理事を務める一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)の辰野まどか氏を講師にお招きして、講演とワークショップを行い、「グローバルシチズンシップ」について考える機会としました。
当センターは、これらの諸活動を通じ、今年度も役職員一丸となって一層深まる地域の国際化への対応と世界中にネットワークを持つ青年リーダーの育成に、更に熱意と努力を継続していく所存です。変わらぬ御支援、御協力をお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。
地域での国際交流活動に関心と意欲のある青少年を内閣府の青年国際交流事業既参加青年の組織のある国に派遣し、ボランティア活動への取組や訪問国青年の案内による視察、調査等を行う。
年1回 9日間、参加人数20人程度
国際理解の促進を図るため、国際交流に携わる指導者の養成を行う。
年1回 東京で開催、参加人数20人程度
内閣府の実施する青年国際交流事業に参加した在日外国青年等を、国際理解教育に資するため、日本の学校に派遣する。
年6回 派遣人数各3人程度
内閣府主催の国際青年育成交流事業の中で、テーマに基づいた視察やディスカッションプログラム等を共催で行う。
年1回 東京で開催、参加人数160人程度
全国各地域で国際交流に携わる指導者及び青年を対象に、有識者の講演、青少年国際交流活動に関する事例発表・討論等を行う。
年1回 千葉県で開催、参加人数300人程度
全国8ブロックで開催。平成30年度は次の各県で開催する。
北海道・東北ブロック・・・山形県 関東ブロック・・・千葉県(※) 北信越ブロック・・・長野県国際交流に関心のある青年を対象に、青年国際交流事業参加者による報告会を行い、国際交流事業への参加を促す。
年3回 東京で開催、来場者数各150人程度
当センターの幹事推進委員及び都道府県団体会員の都道府県推進委員の出席のもと、会議を行う。
年2回
全国の地域や職域及び海外において行われている青少年国際交流活動の紹介などを中心とした情報誌「MACROCOSM(マクロコズム)」を発行し、都道府県を中心とする関係機関及び一般に配布する。
季刊 12,500部1回、1,300部3回
青少年国際交流事業に関連する各種資料を作成し、都道府県を中心とする関係機関に配布する。
全国各地域で行われる青少年の国際交流活動を推進する。
国際交流活動の一層の活性化を図るため、都道府県団体会員に対し、活動奨励金を交付する。
青少年国際交流事業の実施を希望する団体を対象に、青少年国際交流事業の企画、実施に関する相談に対応する。
依頼に応じて国際協力、国際貢献に関心のある青少年に対し、国際協力、国際貢献を行う活動団体、活動内容等を紹介する。
一般財団法人青少年国際交流推進センターでは、日本の学校等に内閣府青年国際交流事業に参加した経験がある在日外国青年等を講師として派遣し、国際理解教育支援プログラムを行っています。今号では、練馬区立練馬第二小学校と東京都立大塚ろう学校城東分教室で実施したプログラムを紹介します。
日付 | 平成30年1月13日(土) |
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担当者 | 北野智也先生 |
対象 | 6年生(42名)、3年生(26名) |
目的 | 道徳授業地区公開講座 外国の方と交流し、文化や習慣、言語などに親しむ |
プログラム |
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派遣講師 | Mr. Thant Zin Oo (ミャンマー) Mr. Erik Loide (エストニア) Ms. Martina Aleksandraviciute(リトアニア) |
練馬区立練馬第二小学校でエストニアについて話をするようお話を頂いた時、私はとても幸運に思いました。新しい人と出会い、授業をする機会を頂いたことに、感謝しています。
私は日本人の友人と同僚に、外国についてどんなことを知りたいか事前に尋ねました。彼らの答えはシンプルでした。食べ物、エストニアの美しい場所、エストニアで見られるすてきなもの。私は良い写真を何枚か選び、訪問の準備をしました。
今回が私にとって初めての日本の学校訪問でした。学校の中に入ったのは実に久しぶりで、壁に貼られた絵や廊下の水槽など、全てが懐かしかったです。私たちはまず職員室に通され、案内係が来てくれるのを待ちました。私を迎えに来てくれたのは二人の児童でした。彼らが一生懸命英語を話そうとしてくれたことが嬉しかったです。案内された教室には20人の児童がいました。エストニアでの兵役、国土を覆う森、フォークダンスに明け暮れた日々など――私は授業であらゆることを話しました。
子供たちは私の国について熱心に知りたがり、たくさん質問をしてくれました。「ライト・アンド・レフト」という昔からある踊りの一つを指導していた時は、一番難しい握手の部分で苦労していましたが、とてもうまく踊れました。最後にみんなでハンカチ落としをしましたが、子供たちがすばしっこくて私は大負けしました。
子供たちと過ごした時間が短くて、とても残念でしたが、子供たちは日本語を話すエストニア人に会えたことをとても喜んでくれました。彼らが大人になった時、きっとこの日のことを覚えていて、私の国を訪問し、エストニアの学校で日本について話をしてくれることでしょう。
日付 | 平成30年1月15日(月) |
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担当者 | 谷口真由美先生 |
対象 | 5、6年生(6名)と全学年(20名) |
目的 | 中国文化を知ろう |
プログラム |
【全学年】
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派遣講師 | Ms. Sun Jiaru(孫佳茹) (中国) |
国際理解教育支援プログラムで、東京都立大塚ろう学校城東分教室を訪問できたことは、私にとってすばらしい経験となりました。
3時間の講義を依頼されましたが、1時間目は中国の学校の様子、人々の暮らしやお正月の過ごし方についてです。2、3時間目は5、6年生と一緒に福餃子を作るという内容でした。
1時間目の受講生は1年生から6年生までいるということで、私の生まれ育った町の子供たちの1年間の過ごし方を軸に話を進めました。春・夏・秋・冬の学校生活や地域の年間行事について、子供たちに親近感を持ってもらおうと思って、私の小さい頃の学校生活の写真や家族が実際に地域のイベントに参加した時の写真を見せました。また、豊作を祝う地域の踊りも披露しました。日本でもよく知られているチャイナドレスを実際に子供たちに着てもらおうと思って、何着か持っていきました。最初は子供たちに喜んでもらえればと思いましたが、子供たちが試着した後、先生のお気に入りはどれですか?と私の好みまで聞いてくれて、すごく嬉しかったです。
2、3時間目に5、6年生と一緒に中国のお正月料理の福餃子を作りました。中国ではお正月の一家団欒の時に行う家族行事のようなもので、みんなで協力しながら一緒にやることに意味があります。私にとって2018年の始まりにこのような形で福餃子作りができたこと、そして子供たちと給食で一緒に福餃子をいただいたことは本当にすてきなことでした。
私は特別支援教育の現場を訪問するのは初めてで、最初はコミュニケーションがうまく取れるか非常に心配していましたが、学校の先生が手話通訳を一生懸命にしてくださったり、子供たちが積極的に質問してくれたりして、本当に嬉しかったです。
今回の国際理解教育の授業では、ろう学校の先生たちのサポートなしに、そして、餃子作りの時間では生徒たちの保護者の協力なしには、うまくいかなかったと思います。皆様の御協力、そして、(一財)青少年国際交流推進センターがこの機会を与えてくれたことに深く感謝しています。
今回の訪問で、私の特別支援教育への関心が高まり、手話をマスターしてもっと子供たちと交流ができたらと思っています。
総合的な学習の時間に、オリンピック・パラリンピック教育の一環として国際理解のための交流授業を実施しました。2回目の今年は、中国人の先生に来ていただきました。
最初、中国の首都や食べ物、服装などのお話を聞きました。お正月の過ごし方の話では、12月31日に御馳走を食べて、お正月の1月1日にはその残り物を食べると聞き、文化の違いを感じた様子でした。また、中国は広く、北の方では小麦を使ったラーメンや餃子が主食になり、南の方ではお米が主食になることなど、中国はどこでもラーメンを食べているという印象が変わりました。
服装の話では、女性は赤を好んで身に着けるお話を聞きました。その後持ってきていただいていた中国の服を着させてもらいました。女の子は、珍しいおしゃれなチャイナ服を着て嬉しそうでした。講師の先生から「チャイナ服は男性も着ているのよ」と言われて、男の子も体験してみました。ちょっと恥ずかしそうでしたが、着てみると似合っていて、それも中国文化を体感する良い経験となりました。
いろいろ興味が膨らみ、最後の質問では積極的に手を挙げて、食べ物の質問や、地下鉄はありますか?などの質問をしていました。
その後、5・6年生を中心に福餃子を作りました。中国ではお正月にコインの入った餃子を作り、それを食べた人は良いことが起きるという習わしがあるということです。今回は、コインの代わりにアーモンドを入れることにしました。
講師の先生の手ほどきを受けながら、ニラを切り、フライパンで炒り卵を作り、餡を作りました。餃子の皮作りでは、曲芸さながらの見事な手さばきで餃子の皮ができ上がっていく様子にびっくり。やってみましたが、難しかったですね。先生の作ってくれた皮に餡をいれて閉じる作業をしました。最初は難しかったのですが、慣れてくると楽しくなり、集中して何個も作っていました。福餃子ですから、アーモンドも数個忘れずに入れました。
ゆでる時も、具が出ないように注意しながら慎重にゆでて、様々な形の個性豊かな餃子が完成しました。
作った餃子は小学部全員で試食しました。友達の様子をみながら、「福餃子は誰に当たるかな?」と楽しみながらいただきました。当たった子がガッツポーズをして立ち上がると、歓声が上がりました。
国際理解教育が終わった後も、楽しかった様子を担任に伝える姿が見られました。「面白かった」「中国に行ってみたい」「福餃子が当たった!」とそれぞれの感想を嬉しそうに伝えていました。
この学習を通して、中国という国に対する興味がでて、日本だけでなく世界の国のことにも興味が広がったようです。また、知識だけではなく、実際に中国の様々な文化に触れ合う機会を持てたことは、今後の成長にとって貴重な経験になりました。本当にありがとうございました。
一般財団法人青少年国際交流推進センターの自主事業「タイ王国・スタディツアー2018」が、平成30年3月19日(月)~27日(火)に実施されました。
このスタディツアーは、タイの児童養護施設を訪れ子供たちの生活環境を知ることと、現地で行われる青少年健全育成プロジェクト「For Hopeful Children Project(FHCP) 2018」にボランティア・スタッフとして参加し、現地の実行委員と協働して子供たちをサポートすることを組み合わせたプログラムで、今年は、大学生と社会人を含む参加者16名と同行職員2名の合計18名が参加しました。
スタディツアーでは、国際協力活動の実践とともに、参加者の国際協調の精神を養います。また、現地の青少年育成について理解を深めることで、日本とタイの友好関係や連携を強化し、国際社会の進展する時代にふさわしい青少年の育成に寄与することを目的としています。
月日 | 活動内容 |
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3月19日 (月) |
バンコク集合 |
3月20日 (火) |
カーンチャナブリー県へ移動 |
子供の村学園ムーバーンデックでの活動 | |
スポーツデーに参加(綱引き)、子供たちと川遊び、子供たちと交流(折り紙、縄跳び、けん玉、だるま落としなど)、施設内のゲストハウス(伝統的高床式木造住居)に滞在(2泊) | |
3月21日 (水) |
タンマヌラックでの活動 |
施設内見学(幼稚園、食堂、教室、浴場、洗濯場、など) 子供たちと交流(折り紙、ボール遊び、習字、フリスビー、縄跳びなど) |
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子供の村学園ムーバーンデックでの活動 | |
施設の子供2 名にインタビュー(Q & A )、スポーツデーに参加( 5 0メートル走、4 0 0メートル走、競歩、サッカー、セパタクローなど)、子供たちと川遊び、スポーツデー打ち上げパーティ(文化紹介交流) | |
3月22日 (木) |
子供の村学園ムーバーンデックでの活動 |
施設内見学(リサイクル工場、農園、かえる農場・養鶏・養豚場、教室、食堂、講堂など) | |
サムットプラーカーン県(バンコク郊外)へ移動 | |
FORDEC幼稚園での活動 | |
子供たちと交流(文化紹介交流、折り紙、ボール遊び、縄跳び、など) 支援家庭(近隣の低所得層家庭)訪問 |
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3月23日 (金) |
チョンブリー県へ移動 FHCP2018ボランティア・スタッフ・ミーティング |
3月24日 (土) |
FHCP2018 |
開会式、海兵隊によるドッグ・ショーやパラシュート・デモンストレーション 海水浴、参加団体によるパフォーマンス披露 |
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3月25日 (日) |
FHCP2018 |
軍用船乗船体験、海兵隊訓練体験、サッカー教室 日本文化紹介ブース、海水浴、参加団体によるパフォーマンス披露 |
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3月26日 (月) |
FHCP2018 |
閉会式、子供たちを見送り | |
バンコクへ移動、夕食 | |
3月27日 (火) |
バンコクにて解散 |
子供の村学園ムーバーンデック(カーンチャナブリー県) |
1979年設立の子供財団が運営する学園。両親のいない又は貧困・家庭崩壊などの事情で育児のできない家庭出身の小学生以上の子供たち約120名が、大自然に恵まれた環境で共同生活を送る場であり、タイ教育省から認可を受けた学校でもあります。 創始者ピボップ・トンチャイ(Mr. Pibhop Dhongchai)氏の理想は、子供と大人が平等に生活できる学習の場を作ることであり、タイ国内で行われている型にはまった教育方法でなく、より優れた教育方法を求め実践することを目的に設立されました。子供たちが既成の概念にとらわれることなく、自分たちに最も適切なやり方(「オルタナティブ教育」と呼びます)を受けることができる小さなコミュニティです。このようにしてできあがったこの学園の最大の目的は、自由と自治を通して、子供たちが自分自身を完全に理解し、人生の意義を発見できるようにすることです。 |
タンマヌラック(カーンチャナブリー県) |
仏教の尼僧が2000年に設立した児童養護施設で、少年僧や少女の尼僧、また、タイ・ミャンマー国境地域で生まれた少数民族(カレン族、モン族等)の子 供たち約110名が共同生活を送っています。 |
FORDEC(フォーデック)幼稚園(サムットプラーカーン県) |
FORDEC(フォーデック)は、低所得層家庭などに対する生活支援を行うために、1998年に設立された非営利団体です。支援を受けている人の中には、障がい者、ホームレス、麻薬中毒者、虐待を受けた経験を持つ人などもいます。創始者アムポン・ワッタナウォン(Dr. Amporn Wathanavongs)氏は、自身が身寄りのない孤児として、住む家もなく、食べるものも十分にない生活を送った経験から、自分と同じ体験をしてほしくない、という思いで、困難を抱えた全ての人々に対する愛と心配りのため自身の人生をささげる決意をしました。 今回のスタディツアーでは、サムットプラーカーン県にある同団体が運営する幼稚園を訪問し、近隣の低所得層家庭から通ってくる子供たちと交流した後に、彼らの住宅訪問を行いました。幼稚園には、就学前の子供たち約200名が通っています。 |
FHCPは、第2回「東南アジア青年の船」事業のタイの既参加青年であるウィスィット・デッカムトーン(Mr. Visit Dejkumtorn)氏が、自身のネットワークをいかし1991年に始めた事業で、非営利団体Fund for Friends(FFF)が毎年実施し、今年28年目を迎えました。
孤児や難民、山岳少数民族、障がいを持っている子供たちなど、社会的困難を抱える子供たちを「希望あふれる子供たち(Hopeful Children)」と呼び、彼らをチョンブリー県にあるサッタヒープ海軍施設(Satthahip Naval Base)に招いて、2泊3日、海水浴などの活動を行います。子供たちと引率者、そして、タイとフィリピン、シンガポール、日本などからのボランティアを合わせ、参加者総勢約1,000名の一大プロジェクトとなりました。
タイ各地から集う子供たちの会場までの移動手段であるバスやその燃料、食材の野菜、米や油その他、FHCPの運営に必要なもの全てが、企業・団体・個人の寄付によって賄われています。地元企業による協賛やチャリティーによる食べ物の屋台が出て、子供たちに料理やおやつが振る舞われました。
海水浴の安全管理や会場運営において、タイ王国海軍・海兵隊の兵士たちが全面協力しました。期間中、子供たちは、海兵隊のドッグ・ショー、パラシュート・デモンストレーションや、軍用船乗船体験、サッカー教室、各団体によるワークショップなどを楽しみました。
1. CFBT(Christian Foundation for the Blind in Thailand) |
CFBTは、タイ王室プロジェクトを行う財団で、タイ全土に視覚障がい者の支援施設を有し、約2,000人の視覚障がい者を支援しています。今年は、ロッブリー県、ナコーンラーチャシーマー県、ローイエット県、コーンケン県の施設から子供たちが参加しました。同団体は、地域のサービスセンターが管轄する地方保健所や国内外の非営利団体と協力体制を構築し、失明予防を目的とした活動も行っています。施設には、視覚障がいとともに、精神障がいや身体障がいなどの重複障がいを抱えている者も多くいます。 |
2. カミリアン・ホーム |
カミリアン・ホームは、イタリア出身のカトリックの司祭ジョバンニ・コンタリン(Father Giovanni Contarin)氏が1987年に、孤児や虐待された子供、障がい児、HIV/AIDSと共に生きる子供等のために設立した施設です。タイ全土に複数あるホームの内、バンコク都ラートクラバン、及び、チエンライ県にあるホームから子供たちが参加しました。 |
3. ファーザー・レイ財団 |
アメリカ合衆国出身のカトリックの司祭レイ・ブレンナン(Mr. Ray Brennan)氏が1974年に、孤児や虐待された子供、障がい児等の受入れのため設立した施設です。文字どおり、多くの子供の「ファーザー(父)」として、子供たちの教育や生活の支援を続けました。2003年、彼の葬式には多くの子供たちが参列、また彼の功績を称え、国王の名の下、タイ王室から墓に埋葬される「王室の土」が贈られました。 |
4. 感謝の家 |
バンコクの北、ノンタブリー県で2012年1月に運営を始めた非営利団体で、知的障がいやその他の障がいを持つ若者(その多くは若い女性)の自立支援をしています。職業訓練として理髪、タイマッサージ、タイ舞踊、音楽、芸術、英語などの技能を身につける支援もしています。 |
5. VFC (The Value of Life Foundation for Children) |
タイ北部ウッタラディット県にあるVFCは、自閉症、知的障がい、ダウン症の子供たちをサポートしています。 |
6. バンコク難民センター |
バンコクで一時的庇護を受け、将来的には第三国定住を目指している難民の子供たちが参加しました。子供たちの出身地域は、シリア、パキスタン、バングラデシュ、ベトナムを始め、アジア、アフリカなど、世界各地に及びます。 |
7. タイ北部山岳少数民族の子供たち |
タイ北部山岳地域にはたくさんの少数民族が暮らしており、今でも独特の文化や伝統、生活習慣が残っています。今回は、チエンマイ県の子供たちが参加しました。山岳地域出身の子供たちにとって、FHCPへの参加は白い砂浜や青い海を見ること自体が稀で大変貴重な機会です。 |
8. タイ南部3県イスラーム教徒の子供たち |
イスラーム教徒が人口の多くを占める、タイ南部ナラーティワート県、パッターニー県、ヤラー県の子供たちが参加しました。その中には、以前同地域で起きた暴動で両親や家族を失った子供たちもいます。 |
私にとって今回のボランティアは、人生の分岐点でした。自分とそして世界で起きている問題と初めて真摯に向き合うきっかけをくれました。目に見えないそして言葉にするのも難しい何かを与えてくれました。私は本当に数え切れないほどのことを、このボランティアから学びました。その中から次の三つを述べたいと思います。「GIVEの精神」、「リーダーシップ」そして最後に「主体性」です。
今回私がボランティアから得たことの8割は、「GIVEの精神」に関係があります。私は、子供と関わったことがなく、ましてや言語も通じない相手とどのように接すればいいのか、子供たちとのファーストコンタクトの直前、とても不安に思っていました。しかしいざ子供たちと触れ合うと、その不安は遠く彼方に飛んでいきました。なぜなら彼らからなんのとまどいもなく歩み寄ってきてくれたからです。これを私は子供たちからのGIVEであると感じました。そう気づいてから私は、子供たちに微笑んだり、肩車をしてあげたり、タイ語で話しかけたりとGIVEを少しでも返そうと模索していました。この姿勢こそ今の自分、同時に世界に欠けているものなのです。後半に行われたイベントの中で、一人の子供が一人の障がいを持った子供の補助をしていたのを目にしました。当たり前のように嫌な顔一つせず助けていた子供は、その行動を通して私たちに「GIVEの精神」を説いていたのです。この精神は、直接人に何かを与えるだけでなく、このように人に何かを伝えたりすることでも同様に影響を与えるのです。先日私は、駅で迷っている外国の人に出会いました。以前は話しかけるのにとまどいを感じていましたが、すぐに道案内をしてあげました。母国語がスペイン語でコミュニケーションにてこずりましたが、どうにか伝えることができました。
二つ目は、「リーダーシップ」です。私は今まで、部活動や委員会などで人の上に立つことが多くありました。しかしその経験とは裏腹に、人をまとめることに自信を持てずにいました。今回、ソーラン節のパフォーマンスの指導をさせてもらい、時にみんなの代表として話をするなど、自信につながる経験をしました。今回のプログラム中に私が意識したのは、誰よりも先に行動することでした。例えば、毎日恒例だった振り返りの際、誰が最初に話すのかという場面に、私が思うリーダーシップが発揮されると思っていました。前半は、意識していたものの発言できず葛藤していました。しかし、後半はたとえ考えがまとまっていなくても手を挙げ、私自身の目標を成し遂げようとしました。私はこの経験からリーダーシップに関する自信と同時に、挑戦する勇気も得ることができました。
三つ目は「主体性」です。主体性とは自ら考え動くことを言います。私はプログラムの中で何度も主体性が求められる場面に遭遇しました。子供たちと遊ぶ際、どのように遊べば多くの子が楽しめるかを考えたり、子供たちと自分の距離を近づけるには何が効果的かなどを考えたりしました。そして行動しました。GIVEの段落でも述べたように、自ら積極的に何かを行うことはスキルアップに大きくつながります。主体性は総合的な人間力につながっていると思っています。主体性のある人は、ぶれない自分を持ち、同時に理想とする未来像をも持っています。主体性を身に付けたとまでは言えませんが、主体性を持つ自分に一歩近づけたと実感しています。
私は、ボランティアに参加したことがあるわけでもなく、また教育に興味があるわけでもありませんでした。参加するきっかけは、ある国際交流イベントを通して知り合った友人から「楽しいよ」と言われたからです。何がどう楽しいのか気にすることなく参加しました。故にボランティアの詳細をあまり見ることなく、気付いた時には集合場所であるバンコクにいました。集合場所に着いてすぐ偶然、Visitさん(このボランティアのたった一人の創始者)にお会いし、「普通の男の人じゃないか」と不覚にも思ったのを鮮明に覚えています。しかしたったの十日間でVisitさんは私の人生において目標とする人物の一人となりました。彼は私に、可能性は努力と継続次第で無限大であることをこのプログラムを通して教えてくれました。影響力のある人間になりたいと思っていた私に、その背中で語ってくれたのです。このプログラムに就活という人生の一大イベントを迎える前に出会えたのは偶然でなく、何かの意味があると思います。そしてこのプログラムを紹介してくれた友達が言っていた「楽しいよ」の意味が、文字どおりの楽しさだけでなく、「人生を見直せて楽しいよ」という前文付きであったことに気付きました。
2018年3月18日(日)、一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)の代表理事である辰野まどか氏をお迎えして実施しました。GiFTは「グローバル・シチズンシップで世界をつなぐ」をミッションに国際交流経験のあるメンバーたちと2012年に設立された団体です。
「グローバル・シチズンシップ」とは、辰野氏によると「世界をよりよくする志」とのこと。国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)においても、グローバル・シチズンシップ育成がターゲットの一つに入っています。国際交流経験がある当日の参加者21名が、各自にある「グローバル・シチズンシップ」とは何なのかを考えました。
まず、グローバル・シチズンシップ育成を行うGiFTの起源や活動について聴きました。自分を知り、相手を知り、そして共に創り上げたものを社会に還元していくという「地球志民プロセス」とともに、一人一人が地球志民であることの自覚をもって活動する大切さを学びました。また、辰野氏のGiFT設立のきっかけとなる「平和は自分たちで創るもの」に気づく17歳の時のエピソードを聞きました。その時の思いを元にGiFTは設立されました。参加者も各自の人生を振り返り、共有することから、自身の中にある「世界をよりよくする志」を探っていきました。
参加者からは、「自分の『しん』を大切に活動したいです」「異文化、多様性と向きあう上で個人を大切にしていきたいです」「ネットワークを広げる・自分を見つめるという目標が達成できました」などの感想がありました。
一般財団法人青少年国際交流推進センターは、国際交流事業を実施する際に培ってきたプログラム作成のノウハウを活用し、海外政府視察団の受入れも行っています。昨年は、スリランカ県議会及び地方政府省(MPCLG)幹部職員等の視察団及びスリランカ政府ウバ州議会議長等視察団の受入れを行い、視察団の要望に沿った最適な訪問先、研修内容等を提供し、好評を博しました。本号では、これら二つの視察団受入れについて報告します。
2017年11月14日(火)〜21日(火)、スリランカ地方政府・州評議会省とアジア開発銀行の協働プロジェクトにより、スリランカから8名の地方自治体の職員と2名のアジア開発銀行の代表者が来日しました。
当センターは、日本の地方自治体が直面する課題と、その解決に取り組むグッド・プラクティスを知りたいという視察団の依頼に基づき、徳島県神山町への視察をアレンジしました。神山町役場の職員や、役場と協働して地方創生に取り組むNPO、地元住民の方々から話を聞き、まちの将来を担う若者の不足や、農業・林業の担い手不足による景観や自然環境の悪化など、スリランカの地方都市に共通する課題を発見しました。それらの課題を解決するために、近年、神山町では移住者や地元住民のUターンを積極的に受け入れる集合住宅の建設や空き家の改修プロジェクト、地域の高校を活性化するオランダとの交換留学に取り組んでいます。
視察団は、まちを巡りながら役場やNPOの担当者からプロジェクトの進捗を聞き、質問をしたり、スリランカでの取組を紹介したり、活発な情報交換が行われました。また、視察日程の後半は、広島の平和記念資料館と原爆ドーム、東京の国会議事堂などを訪問し、約1週間の滞在で三つの都道府県を訪問する、充実した視察となりました。
2017年12月16日(土)~22日(金)、スリランカ・ウバ州議会のプログラムにより、5名のウバ州議会政府関係者と1名のコーディネーターが来日しました。
当センターは、「地方政府における透明性と説明責任」という視察団からの依頼内容に基づき、東京での視察をアレンジしました。スリランカ人の法政大学客員教授であるH.D.Karunaratne教授からの「地方政府における透明性と説明責任」に関する講演や、公益財団法人モラロジー研究所の施設見学、及び藤井大拙先生からの道経一体(道徳経済一体思想)に関する講演、国会議事堂の見学を行いました。
視察団は、本プログラムのあらゆる場面を通して、日本のグッドプラクティスをスリランカ・ウバ州にいかすことができるかと積極的に質問をしたり、見学したりしていました。
I was really lucky to be asked to give a small talk about Estonia at the Nerima Second Elementary School, so I would like to thank Center for International Youth Exchange for this opportunity to meet new people and teach things.
I did some research by asking my Japanese friends and coworkers about what they would like to know about another country. The answers were simple: food, beautiful places of Estonia and cool things people can see in the country. So I selected some nice pictures and I was ready to go.
It was my first time in a real Japanese school and a long time since the time when I was inside a school, all the drawings on the walls, aquariums in the hallway etc. It was nostalgic. First we were ushered into the teacher’s lounge and we waited for our escorts. My escorts were two children, who really tried to speak English, and I was happy to oblige. My classroom was about 20 children. I talked about it all in the presentation - my military service in Estonia, the forests over there, my folk dancing days and so on.
The kids were really eager to know more about my country and they asked many questions. I even taught them how to dance one of the old dances ̒Left-and-Right,’ it went all right until we got to the most difficult handshake part, but we pressed through. Finally we played the hankerchief tossing game and they were so fast that I lost miserably.
It was too bad I had so little time to spend with them, but the kids were really happy to see an Estonian speaking Japanese. Maybe once they grow up they will remember this day and come visit my country and maybe even give a talk about Japan at an Estonian school as well!