macrocosm


リトアニアの講師が母国の文化を紹介する

一般財団法人 青少年国際交流推進センター主催
国際理解教育支援プログラム

一般財団法人青少年国際交流推進センターでは、日本の学校等に内閣府青年国際交流事業に参加をした経験がある在日外国青年等を講師として派遣し、国際理解教育支援プログラムを行っています。

平成29年4月から6月までに実施したプログラムを紹介します。この2回の実施により、通算実績65回となりました。

台東区立忍岡小学校
日付 平成29年(2017年)5月28日(日)
担当者 吉藤玲子校長
対象 4年生(43名)
テーマ いろいろな国について知ろう
プログラム
  • 講師の自己紹介と文化紹介
  • 給食交流、講師の母国の伝統的な踊りや遊びの紹介と体験
派遣講師 Ms. Nina Zdanovic(リトアニア)
Ms. Ranaporn Tantiwechwuttikul(Ploy)(タイ)
児童と一緒にタイの伝統的な遊び「Morn sorn pha(ハンカチ落とし)」をする
講師の感想
Ranaporn Tantiwechwuttikul (Thailand)

It is my privilege to participate in the International Understanding Educational Support Program in Shinobugaoka Elementary School. Even though the main objective was to share Thai culture through PowerPoint presentation and traditional game with students, I also learnt many new things despite my three-year studying in Japan.

During my slide preparation, I was surprised that Japan and Thailand share many similarities e.g. monarchy system, respect for seniority (Sempai-Kohai values) which reflects in different forms of greetings and languages, and importantly ‘rice culture’ which regards rice as staple food in both countries. Nonetheless, the nuances of details truly reflect the beauty of cultural uniqueness and diversity which I sincerely hope to inculcate in the minds of the young.

During the teaching session, I was amazed by the attentiveness and curiosity of the students. Concerning an intercultural experience, we played a game called “Morn sorn pha (Hiding the cloth)” in Thai which was similar to "Hankachi Otoshi (Dropping handkerchief)" in Japan. I believe we had a great time not only by learning and questioning, but also by playing and laughing out loud together.

Moreover, it was my first occasion to have a school lunch served by 10-year old kids; the food was tasty, while the Japanese way of training discipline was notable.

Someone noted that sharing is caring, and caring is sharing. I am glad that this programme fosters this notion and allows foreign students to be a part of. Thank you, indeed.

ラナポーン・タンティウェチウティクン(タイ)

国際理解教育支援プログラムで忍岡小学校に行くことができて光栄です。パワーポイントによるプレゼンテーションと伝統的な遊びを通してタイの文化を子供たちに伝えることが目的でしたが、日本に留学して3年になる私自身もたくさんの新しい学びがありました。

授業の準備に当たり、日本とタイには多くの類似点があることに驚きました。例えば君主制、年長者への尊敬(先輩・後輩の価値観)があって、挨拶や言葉遣いにその違いが表れること、また「米文化」で米を主食としていることが両国に共通しています。しかし、それぞれ細部のニュアンスは文化の独自性と多様性のすばらしさを反映しています。そのことを若い人々に教えたいと心から思っています。

当日の授業では、児童の注意力と好奇心に感心しました。異文化体験として、日本の「ハンカチ落とし」と似ている「Morn sorn pha (布隠し)」というタイの遊びをしました。学び、質問するだけでなく、ともに遊び、大声で笑いあうことで、すばらしい時間になったのではないかと思います。

日本の子供へのしつけは有名ですが、10歳の子供たちから給食を給仕されたこと、その給食が美味しかったことは、私にとって初めての経験でした。

「分かちあうことは思いやること、思いやることは分かちあうこと」という言葉がありますが、このプログラムはこの概念を促進するものであり、外国人留学生が参加させていただけることにも感謝しています。

受入担当者の感想
台東区立忍岡小学校 校長 吉藤玲子
タイの講師が母国の文化を紹介する

学区域に上野公園や上野動物園があり、創立142周年を迎える本校では、『学ぶ意欲をもち、グローバル化する国際社会を生き抜く子供~「伝統・文化」、「国際理解」の学習を通して~』を研究主題に校内の研究を進めています。1年生から英語学習を行い、公的なセレモニーでは、子供たちは日本語と英語でスピーチに挑戦しています。台東区は、上野と浅草の観光地を抱える地域で、日常生活においても多くの外国人に出会う機会があります。

今回は、子供たちにとって身近な国タイのPloyさんと、「初めて聞いた国名」と子供たちが言っていたリトアニアのNinaさんに来校していただき、異文化交流を行いました。タイのPloyさんは、仏教国タイの紹介をしてくれ、挨拶にもレベルがあることを教えてくれました。タイ料理でタイという国を知っていた子供たちも、西洋の文化が入りつつも伝統を大切にしているタイの国の様子について新たにわかったことがたくさんありました。リトアニアのNinaさんは、リトアニアでポピュラーなダンスを教えてくれ、国の自然や古い町並みを紹介する映像を見せて説明してくれました。まず地図でリトアニアの位置を確認し、東にはロシアがありバルト三国の一つであることを子供たちは知りました。第二次世界大戦中ユダヤ人を救うために活躍した日本人外交官杉原千畝の名前もNinaさんから聞くことができました。改めて世界は、広いけれども国籍を超えてのつながりを感じることができました。

本校では、「グローバル化する国際社会を生き抜く子供」の力を「自分の国のよさがわかり、そのよさを他の国の人々に伝えることができる」「自分の考えを主張することができる」「違う意見や違う文化をもつ人々を認めることができる」と捉えています。これからもいろいろな外国の方との交流を通して、日本との違いをわかり、さらにその国のよさを知り、興味・関心をもつ子供たちに育ってほしいです。

児童から講師への手紙
リトアニアのフォークダンス「Oira」を児童に教える
ニュージーランドの講師がゲーム「Hei Tama Tu Tama」を教える
品川区立清水台小学校
日付 平成29年(2017年)6月17日(土)
担当者 脇田学先生
対象 全学年(119名)
目的
  • 国際交流活動を通して、外国の文化や立場を理解し尊重する態度を養う
  • 学習した英語を活用して、外国の方とコミュニケーションを図る
プログラム 【1、2年生】
  • 講師の自己紹介
  • 講師の母国の伝統的な遊びを説明する
  • 児童が伝統的な遊びを体験する
【3~6年生】
  • 講師の自己紹介
  • 講師の文化紹介プレゼンテーション(国旗、位置、挨拶、世界遺産、お祭り、学校生活等)
  • 伝統的な踊りや遊びの紹介と体験
派遣講師 Mr. Hoani Hakaraia (ニュージーランド)
Ms. Hasanthi Praharsha (スリランカ)
スリランカの講師が母国の紹介をする
児童と一緒にニュージーランドの遊び
「Duck, Duck, Goose」をする
スリランカのお正月の遊び「Aliyaata esa thebiima(目隠しして象の目を描く)」を教える
講師の感想
Hoani Hakaraia (New Zealand)

I was very excited and nervous to be asked to volunteer at Shimizudai Elementary School; excited because I love children and being a foreign in Japan (or anywhere in the world) it is always important, but sometimes difficult, to contribute to your new society in a meaningful way outside of your job. Nervous, because you are given the task of teaching/entertaining small, cute, and energetic little humans!

Despite the nervous, I arrived to the school on Saturday morning determined to do a good job. I am still learning Japanese but am not very good, so I knew the best tool to teach would be energy and movement. I was glad to know they had allowed me the use of the school’s gymnasium to conduct my lessons. Then it started and I had a class of first and then second graders. It was so much fun! We played games from my childhood in New Zealand called “Duck, Duck, Goose,” “Numbers Run,” and “Hei Tama, Tu Tama.” I would not say it went 100% smoothly, but Masami san and the staff at Shimizudai Elementary School were very supportive. At the end of the lessons there were smiles all around from the children, parents, and the staff. I hope to participate in something like this again soon!

ホアニ・ハカライア(ニュージーランド)

清水台小学校での講師を頼まれた時、とてもワクワクしつつも緊張しました。ワクワクとは、私は子供が好きだし、日本で(その他の国でも)外国人が仕事以外で、新しいコミュニティにとって意味のある貢献をすることは重要ではあるけれど、なかなか難しいことだからです。緊張とは、幼くて可愛い、そして元気な子供たちに教えて楽しませるという仕事を与えられたからです。

緊張していましたが、土曜日の朝は、良い仕事をする決心で学校に到着しました。私は日本語を学んでいる途中で、とても上手いとは言えないので、元気と勢いある動作を使って教えるのが良いと思いました。体育館で授業を行えるようにしてもらったのも嬉しかったです。1年生と2年生のクラスを担当し、とても楽しかったです。ニュージーランドで子供の頃から親しんでいる「アヒル、アヒル、カモ」「数字でグループ」「ヘイ、タマ、トゥ、タマ」というゲームを子供たちとしました。100%順調にできたとは言い切れませんが、正美さんと清水台小学校の教職員の方がサポートをしてくれたので、授業が終わった時は、子供たちや両親、またスタッフの人たち皆が笑顔になりました。このようなプログラムにまた参加したいと思っています。

Hasanthi Praharsha (Sri Lanka)

My friend, Hoani Hakaraia and I received a very rare opportunity to be guest teachers at an International Understanding Educational Support Program in Shimizudai Elementary School. According to the schedule, Hoani was in charge of 1st and 2nd graders and I was in charge of 3rd, 4th, 5th and 6th graders.

At first, I introduced myself and my culture to students. I explained some general facts of Sri Lanka, its location, food culture and especially the school system. Besides that, I did a singing activity of a Sinhala kids’ song for 5th and 6th graders. When preparing for it, my objective was to give them an idea of the difference between /la/ and /ra/ sounds. Later, I found that it is really difficult for them to pronounce /ra/ sound as it is not in the Japanese phonetic syllabus.

Moreover, for 3rd and 4th graders, I introduced one of our traditional New Year games, ‘Aliyaata esa thebiima.’ I witnessed that the students were really enthusiastic to do the game. It seemed that they couldn’t wait for their turn when they lined up for the game. Students even helped their friends by giving hints to draw the missing eye of the elephant as the competitors eyes were covered, so that they enjoyed it very much.

Finally, attending the program was a great inspiration for me as well. Therefore, I would like to express my sincere gratitude to everyone who offered me this wonderful opportunity.

ハサンティ・プラハルシャー(スリランカ)

友人のホアニ・ハカライアと共に、国際理解教育支援プログラムで清水台小学校に講師として招かれる大変貴重な機会を頂きました。ホアニが1、2年生、私が3~6年生を担当しました。

まず、自己紹介と母国の文化について子供たちに説明しました。スリランカの基本情報、地理や食べ物、そして教育制度を中心に話しました。また、5、6年生の子供たちにはシンハラ語で子供の歌を歌う体験をしてもらいました。子供たちに[la]と[ra]の違いを伝えるために、この曲を準備しました。[ra]は日本語にはない音なので、発音するのは子供たちにとって一苦労だということが分かりました。

そして、3、4年生の子供たちにはスリランカの新年の遊びである「アリヤータ・エサ・テェビーマ」を紹介しました。子供たちはとても夢中になって遊び、列に並んでいる時も自分の番が来るのを待てないくらいでした。目隠しして象の目を描き入れるのですが、子供たちは対戦相手にもヒントを与えてしまうほどでした。

最後になりましたが、このプログラムは私たち講師にとっても大きな学びとなりました。このすばらしい機会を与えてくださった皆さんに心から感謝します。

The 29th SSEAYP International General Assembly in the Philippines

SSEAYPインターナショナル
第29回総会(SIGA)

平成29年(2017年)4月26日(水)~30日(日)に、「東南アジア青年の船」事業東南アジア各国事後活動組織と日本青年国際交流機構(IYEO)で組織しているSSEAYPインターナショナル(SI)の第29回総会(SIGA)が、“One Heart, One Beat, One Team”「一つのハート、一つのビート、一つのチーム」というテーマのもと、フィリピン・イロイロ市及びボラカイ島にて開催されました。

1988年にマレーシア・クアラルンプールにて第1回SIGAが開催されて以来、ほぼ毎年、SI加盟各国事後活動組織の持ち回りでSIGAが開催されています。今回の総会には、日本から36名、東南アジア各国から約140名、フィリピン実行委員12名の合計約190名が参加しました。日本からは政府を代表し、武川光夫内閣府審議官が出席されるとともに、「東南アジア青年の船」事業の既参加者及びホストファミリー、「青年の船」事業、「世界青年の船」事業、国際青年育成交流事業などの既参加者やその家族、友人が集いました。

来年の第30回記念総会は、平成30年(2018年)4月にインドネシア・バンドンで開催の予定です。

総会にて挨拶する武川内閣府審議官
総会にて挨拶するMr. Bong Manlulu II SIGAフィリピン実行委員長
Hon. Falconi V. Millar観光省次官による基調講演
【日程】
4月26日(水)
参加者到着
14:00 – 16:00 COPミーティング
(各国事後活動組織代表者会議)
イロイロ市長表敬訪問
(各国事後活動組織代表者)
19:00 – 21:00 開会式及び歓迎夕食会
・Hon. Jed Patrick E. Mabilogイロイロ市長挨拶
・歓迎のパフォーマンス
・記念品交換
イロイロ市泊
4月27日(木)
8:00 – 12:00 SSEAYPインターナショナル第29回総会(SIGA)
・開会
・武川光夫内閣府審議官挨拶
・SI事務局からの活動報告
・各国事後活動組織からの活動報告
・Hon. Falconi V. Millar観光省次官による基調講演「持続可能な観光」
・グループ・ディスカッション(「持続可能な観光」、「社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)」、「健康と衛生」、「気候変動」、「ガバナンスと経済成長」、「開発に伴う強制移動」、「移民と労働力輸出」、「ASEAN地域統一」)
12:00 – 13:00 昼食
13:00 – 15:00 社会貢献活動
(先住民族アティ族の村での生活支援プログラム)
・ 野菜栽培活動
・ 子供たちへの読み聞かせ活動
・ ダンスを通じた母親への衛生教育啓発活動
15:00 – 17:00 市内観光
18:00 – 20:00 夕食及び文化交流会
・ Dr. Teodoro C. Robles
セントラル・フィリピン大学学長挨拶
・ 文化交流パフォーマンス
・ 記念品交換
イロイロ市泊
4月28日(金)
ボラカイ島へ移動
ボラカイ島泊
4月29日(土)
ビーチ・アクティビティ
18:30 – 21:00 歓送夕食会
・ 参加者パフォーマンス
・ 記念品交換
・ SIラッフル
・ 次回SIGA開催国へのSI旗引継ぎ
ボラカイ島泊
4月30日(日)
参加者帰国
  • 【参加者感想文】
  • 仲間たちの協力と熊本地震復興支援活動
  • 寺嶋章江(第17回「世界青年の船」事業参加青年)

昨年のSIGAは、熊本地震直後でその状況を説明することもできず、各国からの寄付金に感謝するばかりであった。そこで今年は、昨年の寄付金の感謝もこめて、少しでも熊本の状況や私たち熊本県IYEOが取り組む「縁側カフェ」の報告、PRができたらと思い、事前より事務局と協力し、Facebookや各国へのお知らせを通して、現在の熊本の状況やカフェに使用するお茶や菓子の提供を呼びかけた。またSIGA会場では熊本紹介ブースを設置し、熊本のパンフレットやポスター、震災後の写真集などを展示した。そして、各国の活動発表の場面でも、熊本の状況を報告する機会を得ることができた。

私なりに準備をし、臨んだSIGAであったが、事前のお知らせへの各国からの反応は薄く、実際に菓子の提供をしてもらえるだろうかと不安であった。しかし会場に入ると、たくさんの人から「お菓子準備しているよ」「大変だったね」などの声を掛けてもらい、最終的にはダンボール7個分にも及ぶ物資の提供をいただいた。予想以上の量で、日本に持ち帰るのは大変であったが、たくさんの参加者の協力を得て、なんとか熊本まで運び、帰国後早速「縁側カフェ」で皆様に提供することができた。これらの物資を通して、私たちの活動と海外からも熊本の復興を願う人々がいることを、仮設住宅に住む方々に伝えることができたと思う。

今回、これらの試みが成功したことはひとえにSIGAに参加された皆様の協力があってのことである。普段はあまり表舞台に立つこともなく、ただ参加するばかりのSIGAであったが、このような活動の機会を得て、たくさんの人と会話し協力しあったことで、大変思い出深いSIGAとなった。改めて、何かを発信すれば、それを受け止め、協力してくれる仲間がいることを感じた。この場を借りて、今回協力していただいた皆様にお礼を申し上げたい。ありがとうございました。

再会と新しい出会い
武田有人(第42回「東南アジア青年の船」事業参加青年)

SIGAを経てSSEAYP Familyの絆は途切れることなく続き、広がっていくと私は感じました。そう感じた理由は二つあります。一つは時間が経っても風化することのないバッジメイトとの絆を感じたこと、もう一つは初めて会う人でも船事業の既参加者というだけで簡単に親しくなれたことです。

バッジメイトとの変わらない絆を感じたのは、フィリピンのイロイロ市で自分の代のフィリピンのNLと再会した時でした。事業中、私と彼は仲が良く、よく一緒にご飯を食べたり様々な話をしたりしましたが、事業が終了してからはオフラインでもオンラインでも連絡を取ることは少なくなり、話すのは約2年ぶりでした。2年ぶりの再会に初めは少し緊張しましたが、彼は私を見るなり駆け寄って再会のハグをして、私が参加青年だったころと同じように話しかけてくれました。私たちは事業が終わってからのお互いの生活や共通の友人について話し、船の生活を思い出すようでした。

このような光景は決して特別なものではなく、SIGAの期間中には本当に多くの再会の場面がありました。長い間会っていなかった異国の友人との再会を喜ぶ人たち、そして船に乗ったのは10年以上前にもかかわらず、今でもその友情を大切にして交流を続けている人たちを見てSSEAYPで培った絆の強さを再確認することができました。

友人との再会と同じように、新しい出会いがあるのもSIGAの魅力です。同じSSEAYPの参加者であれば誰かしら共通の知り合いがいたり、寄港地や船内での活動について共通の話題があったりします。それに加えて今年は「世界青年の船」事業の既参加青年も多く参加していたのが印象的でした。事業は違えど、やはり船事業に挑戦する人間というのはどこか似通っているのか、事業の違いなど全く気にならず親しくなることができました。

他にも語りつくせないほど多くの経験を得たSIGAでしたが、自分にとっては友人との再会と新しい人との出会いがSIGA、そして開催地であるフィリピンという国を特別なものにしてくれたと感じます。

先住民族アティ族の村で野菜栽培活動に取り組む参加者
ボラカイ島の海
Dr. Teodoro C. Roblesセントラル・フィリピン大学学長と日本参加者
下船後初めてのSIGA、家族と初めてのフィリピン
東田展明(第24回「東南アジア青年の船」事業参加青年)

先日、我々SSEAYP Familyは、姉であり母であり、最大の親友の一人の死に接しました。彼女がその生涯に我々家族にもたらした恩恵に感謝し、その偉大な功績を称えたいと思います。私は1997年「東南アジア青年の船」事業参加者です。

SIGAに参加する目的は人それぞれだと思いますが、IYEOのメーリングリストのメールを見て、IYEOの活動にもSIGAにも参加していない負い目はあったものの、中3になった娘初花にSSEAYP Familyを見て、体験してもらいたく、参加を決めました。到着したイロイロ空港からIYEOの皆様をはじめ、スタッフが迎えに来てくれていて、フィリピンが初めての妻と娘も大喜びで、安心と感激からのスタートでした。ドラムやブラスバンド、伝統舞踊や美しい歌に彩られた夕食会、新しい友との出会い、地元有志らとの交流、広く青い空と澄みきった海の青さに世界一美しいビーチ、夜の喧騒、地元警察と軍による完全護送など、SSEAYPならではの経験の連続に、中3の初花は当初戸惑いながらも、誰よりも楽しんでいるようでした。

そんな中、皆様の御厚意で、初花が皆様の前で発表をする機会を頂きました。娘も中3にもなると父親の私には知らないことだらけです。私の不安を他所に、初花が発表を始めました。“Hello. My name is Ichika, a future PY.” PYのジュニアに発表の機会を与えてくれ、温かく見守ってくれるメンバーと環境がある。そして、それを受けて、自分をFuture PYと言ってツカミにいく娘がいる。諸先輩方の深い愛情と広い視野によって育まれたSSEAYP Familyが、世界に広がり、深く根付いて、今度は次世代に受け継がれてゆく、それも私自身のジュニアに!SSEAYP Familyの大きな愛を改めて実感した旅でした。

最後になりますが、準備段階から事業期間を通して、早朝から深夜まで、参加者の安全と事業の円滑な遂行に、御尽力いただきましたIYEOをはじめとするスタッフの方々、そして、事業に御協力いただきました内閣府の皆様、誠にありがとうございました。

歓送夕食会にて次回SIGA開催国インドネシアへSI旗を引き継ぐ
ディスカッションの成果を発表する

平成29年度

日韓青年親善交流のつどい

テーマ:えん・つながり~日韓の未来を作る友情のはじまり~

えん・つながり

7月29日(土)~7月31日(月)、埼玉県越谷市のセミナーガーデンにて、「日韓青年親善交流のつどい」が実施されました。これは、日本・韓国青年親善交流事業(注)の招へいプログラムの一部で、韓国から招へいされた青年30名と一般公募で集まった日本青年31名に加え、実行委員18名で行いました。

今年のテーマ「えん・つながり〜日韓の未来を作る友情のはじまり〜」には、つどいで出会う人との「えん」と「つながり」を大切にし、青年が日韓の未来を担う懸け橋になれるようにという願いが込められています。このテーマに基づき、お互いの文化を紹介する日韓文化交流の夕べ、教育や文化についてのディスカッション等を行い、両国への理解を深めるとともに、友情を築きました。

(注)
昭和59年の日本・韓国共同声明及び昭和60年の日韓国交正常化20周年を踏まえ、両国の共同事業として昭和62年度に開始。招へいと派遣の相互交流プログラムで構成されており、招へい事業は、7月26日~8月9日の15日間、韓国青年代表団30名が日本を訪れ、派遣事業は9月13日~9月27日までの15日間、団長、副団長、渉外及び参加青年の計30名が韓国を訪れました。
日本青年がソーラン節を披露する
韓国の太鼓ソゴを使った踊りを披露する
お互いの似顔絵を描く
日付 プログラム
7月29日 開会式
オリエンテーション
アイスブレイク
夕食パーティー
日韓文化交流の夕べ
・日韓両国青年による文化紹介
7月30日 ディスカッション
 ①国際交流 ②教育 ③社会
 ④文化(学校生活)
 ⑤文化(恋愛・結婚)
昼食
ディスカッション成果発表
日韓文化体験祭り
絆を深める運動会
夕食
共同制作
7月31日 閉会式
【参加者の感想】
日本青年 有村 真理

日韓青年親善交流のつどいは本当に充実していた。アイスブレイクにディスカッション、文化交流、運動会、共同制作…。最初は日本人同士、日本人と韓国人とで壁があったように感じたが、様々なプログラムを通して仲良くなることができた。何もかもが充実していて「どうしてこんなに時間が足りないのだろうか」と感じることが多かった。特にディスカッションでは韓国の教育についてよく知ることができた。私は韓国に留学中で韓国の教育について学んでいるが、今回のディスカッションで韓国の教育制度について一から知ることができたことは私にとって大きな意味があった。

今回のつどいを通して多くの友人を得ることができた。韓国に戻ってからつどいで出会った韓国青年と会ったが、とても楽しかったし、お互い心の底から思っていることを話せてうれしかった。心の底から話せる友人を得たのは本当に大きなことだ。これからもここで会った縁を大切にしていきたい。また、思っていた以上に韓国語でコミュニケーションを取れてうれしかったが、周りには自分よりもっと韓国語の上手な日本人、日本語が上手な韓国人がたくさんいて刺激を受けた。もっと勉強して今以上に韓国語を使えるようになりたいと思った。今回のつどいに参加できたことに感謝し、これからも日韓交流を続けていきたい。

韓国青年がハンドペインティングで日韓友好を表現する

平成28年度 次世代グローバルリーダー事業

「シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ」

「世界青年の船」事業報告会

実行委員長 三浦 宗一郎

私たちは、今回の報告会の開催に当たり「BLOOM!!-Be a Leader, Open Others’Minds」というスローガンを掲げました。これは、「世界青年の船」事業の中でのテーマでもありました。「一人一人が花を咲かせ、リーダーとなり、それぞれの立場で活躍していく」という思いのもとでメンバー一丸となり臨んだ本報告会は、まさに大成功と言えるものであったと思います。

報告会の準備を進めていく中で、事業の中で学んだことを改めて見つめ直すことができ、事業で出会うことができた仲間の存在の大きさを再認識する機会にもなりました。

本事業での経験や、事業を通して世界中にできた家族のような仲間の存在は、私の人生の中で最も大切なものの一つです。これは私だけでなく、多くの参加青年が口を揃えて言うことです。今回の報告会が、より多くの方々に本事業を知っていただくきっかけに、そして、より多くの方々の人生を大きく変えるようなきっかけになれば、非常に嬉しく思います。

本事業がしっかりと次世代につながっていくものになるよう、私自身もこの経験をいかして、より社会に貢献できる人材になれるよう努力してまいります。

最後になりましたが、本報告会開催に当たり、多大なるお力添えを頂いた関係者の皆様、本当にありがとうございました。

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