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一般財団法人青少年国際交流推進センター理事長の挨拶

マクロコズム平成29年度第1号(第118号)の発刊に当たって

一般財団法人青少年国際交流推進センター
理事長 川上 和久

マクロコズム第118号(平成29年度第1号)の刊行に当たり、一言御挨拶させていただきます。

当センターが発足して24年目を迎えました。この間に、「国際化の急進展する時代にふさわしい青年リーダーの育成とこれらの青年の人的ネットワークの形成」という設立の趣旨・目的の下、内閣府青年国際交流事業の既参加青年の事後活動組織である日本青年国際交流機構(IYEO)と連携し、役職員一丸となって、青年国際交流事業と地域の国際化と人材育成に取り組んでまいりました。

先般終了した平成28年度の諸事業ですが、内閣府青年国際交流事業(当センターが内閣府との契約により実施)は、所期の成果を得て無事に終えることができました。これは各都道府県そして実行委員会を中心としたIYEOの皆さんの御協力の賜物と考えております。

皇太子殿下御成婚を記念して始められた国際青年育成交流事業は、9月に実施されました。内閣府と共催している国際青年交流会議においては、皇太子殿下の御臨席を賜り、事業の成果が披露される等、おごそかな中にも大変和やかな雰囲気となりました。また、平成28年度より、青年社会活動コアリーダー育成プログラムは、地域課題対応人材育成事業「地域コアリーダープログラム」と装いを新たにし、15回目が実施されましたが、先進事例のある外国に派遣し、組織で活躍する青年リーダーとの交流を通じて、各分野の課題対応の方策とともに、組織の運営、関係機関等との連携及び人的ネットワーク形成に当たって必要となる実務的な能力の向上を図りました。

また、当センターの自主事業であるタイ王国へのボランティア派遣(「タイ王国スタディ・ツアー」)、国際理解教育支援プログラムの実施、マクロコズム発刊等による情報提供・啓発等々も成果を得て無事終了できましたことも御報告いたします。

前号のマクロコズム紙面では、当センターの自主事業「国際交流リーダー養成セミナー」における国連UNHCR協会職員による基調講演の内容を紹介しましたが、今月号においては、さらにセミナーやワークショップの様子について紹介しています。このワークショップは難民の立場に立って物事を考え、参加者各自が自分にできることは何かを改めて考える機会になったと好評を博しました。マクロコズムでは今後も既参加青年の皆さんの事後活動を更に活発にし、内容を豊かなものにするのに役立つ情報を提供してまいりたいと思っております。

今年度もこれまでに増し、役職員一丸となりIYEOの皆さんと密接な連携を図りつつ、社会に貢献できる活動を推進してまいる所存です。変わらぬ御支援・御協力をお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。

平成29年度事業計画書

1 青少年国際交流事業の企画、実施及び協力

  • 青少年国際交流スタディツアー

    地域での国際交流活動に関心と意欲のある青少年を内閣府の青年国際交流事業既参加青年の組織のある国に派遣し、ボランティア活動への取組や訪問国青年の案内による視察、調査等を行う。

    年1回9日間、参加人数20人程度

  • 国際交流リーダー養成セミナー

    国際理解の促進を図るため、国際交流に携わる指導者の養成を行う。

    年1回 東京で開催、参加人数20人程度

  • 国際理解教育支援プログラムの実施

    内閣府の実施する青年国際交流事業に参加した在日外国青年等を、国際理解教育に資するため、日本の学校に派遣する。

    年6回 派遣人数各3人程度

2 内閣府と共催する青年国際交流事業

  • 国際青年交流会議

    内閣府主催の国際青年育成交流事業の中で、基調講演・テーマに基づいた視察やディスカッションプログラム等を共催で行う。

    年1回 東京で開催、参加人数160人程度

3 内閣府等の実施する青年国際交流事業への協力

  • 内閣府等の実施する青年国際交流事業への協力
  • その他の国際交流事業への協力

4 青少年国際交流に関する啓発及び研修

  • 青少年国際交流全国フォーラム

    全国各地域で国際交流に携わる指導者及び青年を対象に、有識者の講演、青少年国際交流活動に関する事例発表・討論等を行う。

    年1回 岡山県で開催、参加人数300人程度

  • 団体会員のブロック大会(青少年国際交流を考える集い)

    全国8ブロックで開催。平成29年度は次の各県で開催する。

    北海道・東北ブロック・・・岩手県 関東ブロック・・・山梨県

    北信越ブロック・・・富山県 東海ブロック・・・三重県

    近畿ブロック・・・和歌山県 中国ブロック・・・岡山県

    四国ブロック・・・愛媛県 九州ブロック・・・宮崎県

    ※青少年国際交流全国フォーラムと同時開催

  • 青年国際交流事業報告会

    国際交流に関心のある青年を対象に、青年国際交流事業参加者による報告会を行い、国際交流事業への参加を促す。

    年3回 東京で開催、参加人数各250人程度

  • 推進委員会議

    当センターの幹事推進委員及び都道府県団体会員の都道府県推進委員の出席のもと、会議を行う。

    年2回

5 青少年国際交流に関する出版物の刊行及び広報活動等

  • 機関誌の刊行

    全国の地域や職域及び海外において行われている青少年国際交流活動の紹介などを中心とした情報誌「MACROCOSM(マクロコズム)」を発行し、都道府県を中心とする関係機関及び一般に配布する。

    季刊 15,000部1回、2,500部3回

  • 年報の刊行

    全国の地域や職域及び海外において行われている青少年国際交流活動の実施状況など、青少年国際交流に関する情報や資料を収集、整理した年報を作成し、国際交流実施団体等に配布するとともに、政府刊行物センター等において販売する。

    年1回 発行1,300部

  • ホームページによる国際交流活動に関する情報提供

    • 情報誌「MACROCOSM(マクロコズム)」のホームページ上での公開http://macrocosm.jp/
    • 当センターの概要及び事業案内、各種募集案内等の公開

  • その他

    青少年国際交流事業に関連する各種資料を作成し、都道府県を中心とする関係機関に配布する。

6 青少年国際交流に関する情報収集及び調査研究

  • 青少年国際交流事業に関する情報収集

    • 青少年国際交流情報ネットワークの整備内外の青少年国際交流関係者に関する情報を収集し、ネットワークを整備する。
    • 海外における国際交流活動に関する情報収集関係各国に職員等を派遣し、国際交流に関する情報を収集する。

  • 青少年国際交流に関する調査研究

7 青少年国際交流に関する支援・コンサルティング等

  • 国際交流活動の推進

    全国各地域で行われる青少年の国際交流活動を推進する。

  • 活動奨励金の交付

    国際交流活動の一層の活性化を図るため、都道府県団体会員に対し、活動奨励金を交付する。

  • 青少年国際交流コンサルティング

    青少年国際交流事業の実施を希望する団体を対象に、青少年国際交流事業の企画、実施に関する相談に応ずる。

  • 国際ボランティア等に関する情報提供

    依頼に応じて国際協力、国際貢献に関心のある青少年に対し、国際協力、国際貢献を行う活動団体、活動内容等を紹介する。

一般財団法人青少年国際交流推進センター

国際交流リーダー養成セミナー

「世界の難民事情~私達が今、考え行動すべきこと~」
ワークショップ「いのちの持ち物けんさ」
国連UNHCR協会ファンドレイジンググループ団体・学校統括 中村恵氏
学生団体SOAR 松下真央氏/金子暁氏

平成29年3月25日(土)、国際交流リーダー養成セミナーを実施しました。前半は、国連UNHCR協会の中村恵氏による「世界の難民事情~私達が今、考え行動すべきこと~」と題する基調講演から、増え続ける難民や国内避難民について学び、後半は、ワークショップ「いのちの持ち物けんさ」を通して、難民問題に対して参加者には何ができるかを考えました。今号では、このワークショップについて紹介します。

★「いのちの持ち物けんさ」とは…

難民について理解すること、また難民の人たちの心の痛みに寄り添うために「自分にできることは何か」を考えるきっかけを作ることを目的としたワークショップです。

国連UNHCR協会と学生団体SOAR主催の「大学生×難民支援~学生アイディアコンペ~」(2013年12月開催)にて最優秀アイディア賞を受賞しています。

SOARとは、国連UNHCR協会のインターンシップを経験した学生を中心に設立された学生団体です。出張授業として、ワークショップを実施しています。(英語版“My list”の実施も可能です)

導入
イントロ

進行役の自己紹介等

こんにちは!今回、ワークショップを担当する○○です。よろしくお願いします。皆さん、昨日はどのように過ごしたか、思いだしてみてください。グループのメンバーに「昨日の1日」を発表してみましょう。
アイスブレーク

各自、昨日どのように過ごしたかを振り返り、グループ内で共有する。

自分にとっては当たり前の一日であっても、他の人とは全く違う一日であることに気付くかもしれない。

参加者A
昨日は平日だったので学校に行きました。朝起きて、朝ごはんを食べて、電車で行きました。英語の授業でプレゼンがあったので、メンバーと打合せをしてから行いました。うまくいったので、とても嬉しかったです。
参加者B
昨日は会社に行って、午前中に会議に出席した後、次のプロジェクトのために連携している会社に打合せに行きました。仕事が終わってから、学生時代の友達と食事し、帰宅しました。
いのちの持ち物けんさ
書き出し

今自分が持っているもの、自分を証明するものを3色の付箋にできるだけ具体的に書き出し、色ごとに分類して貼る。「いのち」は全員が赤色の付箋に書くこと。自分だけのリストを作る。

あなたにとって・・・
青の付箋:替わりのあるもの
黄の付箋:どちらでもないもの
赤の付箋:替わりのないもの
グループ内で共有

自分のリストについてグループ内で共有する。付箋に書いた一番大切なもの、思い入れのあるものを一人1点紹介する。

喪失の疑似体験
青色の喪失

青色の付箋をはがし、用紙の裏面に貼り直す。表面の白紙の部分に、それらのものがなくなったらどう感じるかを想像して書き出す。精神的にどんな影響を受けるか考えてみる。

青がなくなったら・・・
・ 自分の服がなくなっても、他のもので代用できる。
・ はじめは不便かもしれないが、慣れると思う。
黄色の喪失

黄色の付箋をはがし、用紙の裏面に貼り直す。以下、青色と同様。

黄がなくなったら・・・
・ 自分を証明するものがなくなって困る。
・ 大切なものがなくなり悲しい。
赤色の喪失

赤色の付箋をはがし、裏面に貼り直す。表面の白紙の部分にそれらすべてがなくなり、「いのち」だけが残されたらどのように感じるかを想像して書き出す。以下、青色、黄色と同様。

赤がなくなったら・・・
・ 生きること自体、非常に辛い。
・ とても悲しい。
・ 生きる気力を失う。
全体での振り返り

付箋の色ごとに、実際にそのような状況にある難民の写真を見て、現状について理解を深める。

DVD鑑賞(例えば下記の一部を上映)

動画「人を守る人の手」 https://www.japanforunhcr.org/form/orgs/materials/post/

難民問題の現状を学び、今、自分たちが想像したことと重ね合わせ、難民の人々の心の痛みを感じる。

動画を見て…
・ 疑似体験で想像したものを、実際に失っている人がいることを知り、その心境に思いをはせる時間になった。
・ 全てを失ってもなお前向きに希望や夢を見出し生きようとする難民の人々の力強さを感じた。
自分への気付き
自分にできることは何かを考える
表に一枚だけ残っていた「いのち」の付箋をはがし、裏面に貼り直す。
最初に作成したリストをもう一度見て、今の自分や自分が持っているものを振り返り、社会や世界のために自分ができることは何かを考える。
以下の三つに分けて書き出す。
①今の自分にできること
②将来、自分にできそうなこと
③皆で力を合わせてできること
書き出した内容をグループ内で共有し、模造紙1枚にまとめる。
発表

各グループの代表者がグループ内での意見を発表する。

ワークショップの感想 
・ 喪失の体験をして、自分は恵まれた環境にいることに感謝できた。
・ 難民問題を取り扱う団体に所属しているので、自分にとっては身近な問題だった。今後も、活動を続けていきたい。
・ 今まで、このようなワークショップを体験したことがなかった。難民の気持ちを想像するとか、失うことを考えることはなかったので、非常に良い体験だった。
参加者の属性:20代、社会人が多い
まとめ

進行役からのメッセージ等

<実施した感想>

普段の活動では、一般の中学・高校生や大学生を対象に実施することが多いため、今回、国際問題への意識が高くアクティブな皆さんに御参加いただけたことは、私自身にとって、とても刺激的な時間となりました。また、社会人の参加者から、社内研修等で実施してみたいとの声や、社会人として今後どのように難民問題と関わっていけるかといった新しい視点も得ることができ、貴重な機会に感謝しています。誰でもファシリテーターになれるワークショップなので、関心のある方は、学生・社会人を問わず、お気軽にSOAR あるいは国連UNHCR協会にお問い合わせいただけますと幸いです。(松下)

最初に青の付箋を書き始めたときはあまり悩んでいなかった様子の参加者の皆さんが、黄色、赤色と進んでいくにつれて、考える時間が長くなっていったのが印象的でした。自分自身が何かを「喪う」ことは、日本で生活している私たちにとっての非日常ですし、想像できることはあまり多くないと思います。一方、それがほぼ日常になってしまっている現実が、地球上のどこかにあるのもまた事実です。今回の企画では改めてそういったことを考えさせられました。貴重な機会をありがとうございました。(金子)

◆お知らせ◆

国連UNHCR協会は、主に教職員や教職を志す学生の方々を対象とする「難民についての教材活用セミナー」を次の日程と会場で開催します。(東京では7/29、札幌では8/6に開催)

この研修会では、学校現場における総合的な学習の時間や社会科の教科指導、人権教育、キャリア教育、グローバル人材の育成やアクティブラーニング等への貢献を目的として、難民問題やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に関する基礎知識を習得するだけでなく、ワークショップ「いのちの持ち物けんさ」等も体験できます。学生団体SOARメンバーも参加し、教育現場との連携と教材の進化を図ります。学校での実践例については、国連UNHCR協会ホームページ(http://www.japanforunhcr.org/support/orgs/)を参照してください。
【開催時間】10:00-17:30(開場 9:30) 【参加費・定員】無料・30人
【申し込み方法】国連UNHCR協会ホームページの「難民についての教材活用セミナー」専用サイトで詳細を確認の上、school@japanforunhcr.org(担当:中村、天沼)宛てに、必要事項を明記したメールを送信してください。

名古屋 8/19(土) 市民活動推進センター集会室(名古屋市中区栄3-18-1)
大阪 8/20(日) 大阪市中央公会堂第4会議室(大阪市北区中之島1-1-27)
福岡 8/27(日) 正友ビル2F(福岡市中央区天神4-5-20)
「いのちの持ち物けんさ」ができたきっかけ

「いのちの持ち物けんさ」の生みの親、松下真央さんにお話を聞いてみました。

松下真央さんは、内閣府の平成26年度グローバルユースリーダー育成事業「シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ」の既参加青年です。現在は、学生団体SOARで難民問題に取り組んでおられます。

Q1.
このワークショップを考案したきっかけは何ですか。

「いのちの持ち物けんさ」を考える一番のきっかけとなったのは、大学受験での挫折です。私は幼い頃からの夢であった医師になることを目指し、高校卒業後2年間浪人生活を送りました。朝から夜まで予備校にこもり、自分にできる最大限の努力をしましたが、結果は不合格。目の前の進路が途切れてしまった時は、大きな絶望を感じずにはいられませんでした。世の中の役に立ちたいと思って勉強してきたけれど、試験に受かることができなかった自分の無力さに、自分のアイデンティティを見失いそうになりました。人生最大の挫折を前に、初めて何もできない自分と向き合えたのだと思います。そして、無力な「自分」という存在と真摯に向き合った時、ふと思い浮かんだことがあります。それは、私の夢の実現をどんな時も側で支えてくれた両親、前向きに応援してくださった恩師や親戚、励まし合いながら共にがんばった仲間、自分のこれまでを振り返り、数え切れないほど多くの人たちの支えがあって初めて今の自分がいるということに気付きました。そして、こんなにも多くの人に支えてもらってきたのだから、きっと自分にも何かできることはあるはずだと前を向くことができたのだと思います。この気付きが、もう一度自分のやりたかったことを職業の枠を外して考えるきっかけとなり、「いのちの持ち物けんさ」を考える原点となりました。

大学入学後、学生の自分にもできることを模索している中、偶然出会った国連UNHCR協会主催の学生アイディアコンペ。テーマは「難民問題を身近にするには?」でした。「難民問題」という世界規模の大問題を前に、私たちの多くが自分ではどうすることもできない無力感を感じ、手の届かない遠い国の出来事であると捉えてしまうことが多いと思います。「いのちの持ち物けんさ」では、日本という守られた環境の中で、普段は当たり前のように感じている「自分」という存在が幸いにして持っているもの、支えられている大切な人やものの存在に目を向けることで、「守られた環境にいるからこそ世界の一員としてできることは必ずある」と考えるきっかけを、より多くの方々と分かち合いたいと願っています。

Q2.
このワークショップで参加者からたくさん意見を出してもらうコツがありますか。

ワークショップでは、参加者一人一人にじっくりと「自分」という存在と向き合っていただきたいと考えています。そのためにも、ファシリテーターが何か答えを押し付けるのではなく、参加者の方が自発的に自分の日常や身近な出来事を振り返りやすくなるような声かけを心がけています。また、ワークショップはコミュニケーションの場でもあるため、話しやすい場作りも大切にしています。

Q3.
国連UNHCR協会でのインターンシップや、SOARでの活動を通じて、難民問題について御自身の考えや感じ方が変化しましたか。

大学1年次にスタートした国連UNHCR協会でのインターンでスーパーバイザーをしてくださった職員の中村恵さんとの出会いが、世界の問題に対する考えや価値観を大きく変えるきっかけになったと感じています。中村さんは、緒方貞子さんが国連難民高等弁務官だった時代に、ジュネーブ本部で勤務された後、ミャンマーの奥地で実際のフィールドも経験され、国連UNHCR協会設立当初から日本における難民支援の促進に尽力されてきた方です。

中村さんが援助の現場で出会った難民の方々のエピソードを伺う中で、最初から難民だった人はいないということを改めて知りました。「難民」と呼ばれる人々が「難民」になる前、私たちと同じように学校に通い、資格を取ったり、趣味を持ったり、彼ら自身の「当たり前の暮らし」があったということ、難民は単に守られるだけの弱い存在ではなく、多くを失ってもなお、私たち以上に生きる意欲と希望を見出す力を持った力強い存在であることを知りました。このことは私自身、同じ世界の一員として様々な問題と向き合う際、大切にしたい価値観の一つになったと感じています。

Q4.
難民問題に取り組んできた経験は、国際交流の場ではどのように役に立ちましたか?
逆に、国際交流の場で得た経験をSOARの活動でいかしていることはありますか?

インターンや学生団体SOARにおける活動を通じて、普段から同じ思いを持った仲間と話す中で、世の中の出来事に対し、自分なりに問題意識を持つ姿勢が鍛えられたと思います。SWY(シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ)に参加した際、拙い英語力にもかかわらず、様々なバックグラウンドを持った国の人たちと自分の意見を語り合うことができた時はとても嬉しかったです。

また、国際交流事業への参加を通じて、世界10か国の仲間と出会えたことで、今まで以上に世界の出来事を身近に考えられるようになりました。様々な文化や価値観、生活習慣に出会う中で、多様性の受容や違いを尊重し、共存することの必要性を肌で感じることができたと思います。まだまだ未熟な私ですが、いつかSWYの仲間と再会した時に、今より少しでも多くの視点を分かち合える自分になれるよう努力していきたいです。

Q5.
今年、大学を卒業したとのことですね。今後、社会人としてどのように活動していくかプランや展望があれば教えてください。

学生時代は、学生団体の活動を通して小中高等学校を中心とした出張授業に取り組んできましたが、今後は社会人の方々にもぜひ研修などでワークショップに参加する機会を持っていただきたいと考えています。卒業後もSOARの卒業生や関心のある仲間と一緒に社会人向けの活動にも取り組んでいきたいです。

<お問合せ先>
学生団体SOAR soar4refugees@gmail.com

インターナショナル・ユース・ポリシー代表者会議

3月25日(土)~ 3月30日(木)、第3回インターナショナル・ユース・ポリシー代表者会議(IYPD)がドイツ、デュッセルドルフにて開催され、日本を含む8か国から各国政府の青少年施策の実施に携わる関係機関・団体の代表者が集まりました。今回の会議は、ドイツ国内最大の青少年支援に関するイベント「子供・青少年支援会議(OJHT)」の開催に合わせて開かれ、各国の青少年政策の重点分野と動向について共有しました。

第3回会議の主催者であるドイツ連邦共和国国際ユースワーク専門機関(IJAB)は、連邦家族高齢者・女性・青少年省(BMFSFJ)の委託を受け、国際青少年育成活動業務を行っている専門機関です。世界中の国々と青少年育成(ユースワーク)のための国際的活動や、青少年政策協力を強化し、発展させる任務を担っています。内閣府の「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」「地域課題対応人材育成事業『地域コアリーダープログラム』」の受入窓口でもあります。今回出席した代表者の多くが内閣府青年国際交流事業の派遣・招へいに直接かかわっている担当者か既参加者でした。

本会議では、ユースワークの役割や在るべき姿について話し合いました。現在、ヨーロッパでは、欧州評議会を中心にユースワークの標準化を目指して、必要な資格・資質(教育や知識など)のマッピングや、青少年活動団体間の対話と連携を生み出すための取組を実施しています。一方、青少年の支援活動は、国によって福祉分野または青少年育成分野で担われている場合があり、その発展の歴史も青少年を取り囲む環境も国によって異なるため、ユースワーカーの役割を一つの定義に当てはめることは難しい状況です。ユースワーカーが職業として存在している国もあれば、ボランティアによって担われている国もあります。さらに、ユースワーカーとしての資格が大学の教育課程で取得可能な国もあれば、基本的に経験に基づいて判断されている国もあります。制度や役割は国によって差があるため、国際標準化することは難しいものの、「青少年を対等なパートナーとして扱う」というユースワークの基本的倫理は共通しているという結論に至りました。

今回のIYPDへの参加を通じて、昨今の欧州におけるユースワーク・青少年関連施策の焦点が、主に移民・難民の社会的包摂や排斥主義の予防に置かれていることが分かりました。その例として、移民・難民を対象とした福祉サービスに関するオンラインの情報提供、難民のためのボランティアを通じた社会参加プログラム、移民と市民をつなげるためのメンタリングプログラム、民主主義推進のための啓発プログラム、職場における多様性推進事業などの事例が挙げられました。

会議終了後、参加者たちはドイツ子供・青少年支援会議(DJHT)の会場へ移動・見学しました。ドイツ子供・青少年支援会議(DJHT)とは、ドイツにおける青少年関連団体が集まる国内最大のイベントで、3 ~ 4年に一度開催されます。今回の会議は、子供・若者支援協会(AGJ)、ノルトライン=ウェストファーレン州及びデュッセルドルフ市が主催しました。3日間にわたる会議では、連邦家族・高齢者・女性・青年大臣を招いた開会式や、青少年に関する様々なトピックについてのセミナー、ヨーロッパにおける青少年施策についてのサイドイベントが開かれ、約350のビジネス及び非営利団体が出展しました。これまではドイツ国内の青少年活動や団体を主な対象として開催されていましたが、今年はヨーロッパにおける視点や国際的な取組を盛り込んだイベントが含まれていたことが特徴です。

マヌエラ=シュヴェーズィヒ連邦大臣による基調講演では、欧州は政治経済のシステム共同体ではなく、平和や多様性を尊重する思想の共同体であることが繰り返し述べられ、この価値観を保持するためにユースワークが大きな役割を果たしていることが強調されました。

主催者のIJABからは、第1回代表者会議の際には、ヨーロッパに限らず日本からも参加があったことで議論の幅が広がったという声が多く述べられました。今後カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど他の国とのネットワークを開拓する際には、青少年国際交流推進センターや日本青年国際交流機構のネットワークをぜひいかしてほしいとの要望もあり、大変有意義な機会となりました。

マヌエラ=シュヴェーズィヒ連邦大臣による基調
出席者 役職・団体名
Edgar Schlümmer エストニア・ユースワーク・センター 所長
Estonian Youth Work Centre, Director
Naho Kawashima 一般財団法人青少年国際交流推進センター シニア・プログラム・コーディネーター
Center for International Youth Exchange, Senior Program Coordinator
Wenche Mobraten ノルウェー子供・青少年・家族局 副局長
Norwegian Directorate for Children, Youth and Family Affairs, Deputy Director
Trine-Lise Hoffmann ノルウェー子供・青少年・家族局 アドバイザー
Norwegian Directorate for Children, Youth and Family Affairs, Adviser
Bruno Del Mazo Unamuno スペイン青少年庁 市民参加推進部部長
Instituto de la Juventud, Head of Unit for Participation and Citizenship
Lena Nyberg スウェーデン若者・市民社会庁 局長
Swedish Agency for Youth and Civil Society, Director General
Ellen Gosdoum スウェーデン若者・市民社会庁 副部長
Swedish Agency for Youth and Civil Society, Deputy Head of NA
Jim Sweeney スコットランド・ユース・リンク 代表
YouthLink Scotland, Chief Executive
Oleksandr Yarema ウクライナ青少年スポーツ省 次官
Ministry of Ukraine for Youth and Sports, Deputy Minister
Anna Ostricova ウクライナ家族・青少年政策研究所 ユースワーク・ユニット 部長
State Institute for family and youth policy, Head of the Unit of youth work
Davide Capecchi 欧州評議会 欧州委員会・欧州評議会パートナーシップ研究員兼ポリシー・オフィサー
Partnership between the European Commission and the Council of Europe, c/o Council of Europe, Youth Researcher and Policy Officer
Marie-Luise Dreber 連邦国際ユースワーク専門機関 代表
IJAB-International Youth Service of the Federal Republic of Germany, Director
Reinhard Schwalbach 連邦国際ユースワーク専門機関 副代表
IJAB-International Youth Service of the Federal Republic of Germany, Head of department

One More Child Goes To School Project
(スリランカの子どもたちの教育支援プロジェクト)
~ 2008年の開始から10年の節目~

プロジェクトの背景と現状

スリランカには、家庭の経済的な問題等で学用品等を購入する充分な資金を得られない子どもたちが数多くおり、そのような子どもたちが継続して学校に通えるように支援することが必要とされています。日本青年国際交流機構(IYEO)の会員によって構成されたプロジェクトチームは、社会貢献活動の一つとしてこのプロジェクトを2008年にスタートしました。2008年と2009年は学用品の寄付のみで実施、2010年からは学用品の寄付に加えてフォスターペアレンツ(里親)プロジェクトを開始しました。また、折々にチャリティーイベントを開催し、プロジェクトの状況をお話しするとともに、物販などで得た収益を学校へ寄付しています。

2017年までに支援してくださったペアレンツは82グループ(個人支援に加えて、家族や仲間を一単位で数えるため、実際は100名強)、支援した生徒数は延べ160名にのぼります。

元気いっぱい、笑顔がとてもすてきな児童たち
全15クラスにホワイトボードを寄贈(2010年9月)

プログラムの原点とこの10年

最初のスリランカ訪問は、約26年に及ぶ内戦が終わったばかりの2009年でした。深夜の到着で薄暗い空港、銃を持った軍隊の空港警備、コロンボ市内までいくつもあった検問所に期待よりも不安のほうが徐々に大きくなっていったのが思い出されます。当時、支援先のスリランカ南部マータラ県ハクマナ地区にあるBuddha Jayanthi小学校に行くには、主要都市コロンボから一般道路を使い6、7時間かかりました。(現在は、コロンボ郊外からマータラ郊外までの高速道路が開通し、大幅に短縮されています。)

小学校は狭く、薄暗い教室でたくさんの児童が勉強をしていました。ほとんどの教室の黒板はひび割れ、書いた文字も後ろの席からでは見にくい状況でした。机や椅子はとても古く、たくさん傷がついていました。一部の教室では雨漏りがあり、勉強するのに良い環境とはとても言えませんでした。また、きちんと使えるトイレが児童の数に見合うものではありませんでした。そんな環境の中でも、教員たちは情熱を持って教壇に立ち、児童は目を輝かせて勉強をしていました。その光景を目にして、空港で感じた不安は消えていきました。

この視察以降、毎年学校を訪問して校長先生や教職員との話合いを重ねています。現地コーディネーターを含むプロジェクトチームは、支援者の皆様からの寄付を有効に使うために、学校が最も必要としているものは何かを常に考えて、これまで活動を続けてきました。

児童が訪問する度に様々なパフォーマンスで歓迎してくれる。スリランカのお祭り「ペラハラ」を再現(2012年11月)
学校では保護者が食事を用意してもてなしてくれる(2012年11月)
奨学金専用の銀行口座を開設(小学校に銀行員が訪問し、翌日に通帳が手渡される)(2013年11月)
400人分の机とイスを寄付。新しい机とイスに児童たちも思わず笑みがこぼれる(2014年7月)
コピー機1台とプレイルーム用のテーブルと椅子のセットを寄付(2015年7月)
私たちの日本からの訪問に合わせて地区の教育委員会の方も小学校を訪れる(2015年7月)
教室に入ると、歌を歌って歓迎してくれた(2015年7月)
MACROCOSMを手にして喜ぶ児童(表紙はスリランカの奨学生が描いている)(2016年7月)
奨学生のご家庭を訪問する(2015年7月)
  • スリランカ最大の日刊紙Lanka DeepalにOneMore Child Goes To Schoolプロジェクトの内容が取り上げられた(2016年7月28日)
  • 教室増設。児童、先生も保護者も大喜び(2016年7月)
  • 学校訪問ツアーに参加して、支援している児童と感動の対面(2016年7月)
  • 日本文化紹介で七夕の話をし、みんなで短冊に願いを書いた(2016年7月)
  • 日本のフォスターペアレンツ一人一人からのプレゼントとプロジェクトで贈る学用品を受け取る(2016年7月)

寄付の内容

寄付金には、学校の環境を良くしていくための寄付も含まれています。子どもたち一人一人への支援金のほかに、これまでに以下のような物品を現地で購入して、寄付しています。

皆様の御支援のおかげで、支援開始当初に比べて学校のインフラは随分と整ってきました。私たちの支援がこれで十分とはいえませんが、学校も町も環境の改善が大きく見られることは、大変嬉しいことです。一方で、学校側の整備計画の新校舎建設予定地は、10年経っても更地のままであり、計画どおりに進んでいない現状もあります。

購入年 購入物品
2010年 男子トイレの建設、ホワイトボード(黒板から切り替え)
2011年 アンプ、マイク、先生用の鍵付きロッカー
2012年 楽器、掃除用具、手押し車1台、鍬、シャベル、掛け時計
2013年 PC1台(ラップトップ)、プリンター、インクカートリッジ、プロジェクター、職員室備品、掃除用具
2014年 机と椅子、コピー機、プレイルームの机
2015年 PC10台(ラップトップ)、オーディオセット一式
2016年 教室増設

今後について

ハクマナ地区には、10年前のBuddha Jayanthi小学校のような学校がほかにもまだあると聞いています。今後、新たな支援先小学校を探すことも視野に入れて、継続してスリランカの教育支援を行っていこうと話し合っています。新しい学校探しは現地のコーディネーターの力を借りながら、支援校の校長先生や地区教育委員会とも調整をとり、1年かけて慎重に進めていく予定です。

これからも地道な活動を継続していきますので、引き続き、皆様方の御支援をどうぞよろしくお願いします。

One More Child Goes To Schoolプロジェクトチーム
問い合わせ onemorechild@gmail.com
文責:小林 真由美(プロジェクト・リーダー)

第19回「世界青年の船」事業 10周年リユニオン

2017年3月11日~ 12日、「世界青年の船」事業(SWY)第19回生の記念すべき10周年リユニオンを、京都のゲストハウスにて自主開催しました。このゲストハウスは、私たち19回生の仲間の一人が、かねてからの夢を実現して下船後にオープンした施設の2号店。当日は管理官や管理部員、アドバイザーを含む約40人の同窓生が集まり、賑やかな大同窓会となりました。

乗船当時20代だった者は30代に、最年長の30歳で参加した者は40歳になっており、各々がいろいろな環境下で社会経験を積んだ上での再会。10年の歳月はあっと言う間に過ぎましたが、その間、あの頃若かった仲間たちは、しっかりと世間の荒波に揉まれながら人間的な魅力を深めていました。そんな仲間たちと交わす近況報告や情報交換は、時を忘れるほど刺激的で、大変有意義でした。

当日は、日中に代表者による活動報告を、夜は食事を交えた懇親会を行い、アットホームな雰囲気で終始交流を重ねることができました。また、海外在住の仲間(今回はアメリカ、シンガポール、フィジーより参加)にもSkypeをつないで情報を共有し合い、参加できなかった仲間からは事前に手紙を送ってもらい、進行役が朗読をして思いをシェアしました。会場にはお互いの10年間の軌跡を愛でた拍手が鳴り止まず、次の10年間の各々の活動に向けての大きな励みとなりました。

今回のリユニオンで再確認できたことは、この仲間たちは自分が置かれた状況下で最善を尽くす人たちだということ。 IYE0活動に力を注ぐ者、教育現場で働く者、地域に根ざして町おこしに力を注ぐ者、育児をしながら学び続けている者、国際交流に関係した起業をする者、海外在住経験をいかして出版する者、通訳の仕事で貢献する者、日本文化を掘り下げる者…。そしてどんな時にも支え合う精神がありました。2011年の東日本大震災や、昨年の熊本地震の時など、折々に19回生による支援物資が全国各地から送られてきたり、お見舞いに足を運んだり「何かできることはないか」と電話やメールをして心を寄せ続けていました。

また、今回は子連れでの参加も多かったのですが、自主的にその子供たちを見守り合うムードがあり、改めてこのメンバーは、お互いに思いやり合える貴重な仲間なんだと感激しました。

参加した仲間からは「濃い時間を共にした仲間だからこそ刺激し合えた」「時の隔たりを感じさせない再会だった」「SWYが人生にどれほど貴重な時間であったかを再確認した」「これから20年、30年、その先も、思い出話やこれからのことを語り合える仲間でいたい」「いつの間にか凝り固まっていた価値観を打ち砕いてもらった」「Think globally,Act locally」「このネットワークをもっとIYEO活動にいかしていきたいと思った」という感想がありました。

下船後の10年は、これから熟成しながら少しずつ開花することでしょう。それぞれの活動が、国の内外に向けてはもちろんのこと、次世代へ向けての橋渡しとなるよう、これからも互いに刺激し合い、高め合いながらこのつながりを大切に、生きていきたいと思います。

平成29年度 青少年国際交流を考える集い(ブロック大会)予定

ブロック 開催県 開催日 ブロック構成都道府県 会場
北海道・
東北
岩手県 9月2日(土)~3日(日) 北海道・青森県・
岩手県・宮城県・
秋田県・山形県・
福島県
ラ・フランス温泉館
ホテル湯楽々(紫波郡紫波町小屋敷字新在家90番地)
関東 山梨県 10月14日(土)~15日(日) 茨城県・栃木県・
群馬県・埼玉県・
千葉県・東京都・
神奈川県・山梨県
富士Calm(カーム)
一般財団法人 人材開発センター 富士研修所(富士吉田市新屋1400)
北信越 富山県 8月19日(土)~20日(日) 新潟県・富山県・
石川県・福井県・
長野県
富山県民共生センター サンフォルテ(富山市湊入船町6-7)
【宿泊】とやま自遊館(富山市湊入船町9番1号)
東海 三重県 平成30年
3月10日(土)~11日(日)
岐阜県・静岡県・
愛知県・三重県
三重県津市
近畿 和歌山県 平成30年
1月13日(土)~14日(日)
滋賀県・京都府・
大阪府・兵庫県・
奈良県・和歌山県
調整中
中国
(全国大会)
岡山県 11月25(土)~26日(日) 鳥取県・島根県・
岡山県・広島県・
山口県
倉敷アイビースクエア(倉敷市本町7-2)
四国 愛媛県 7月15日(土)~16日(日) 徳島県・香川県・
愛媛県・高知県
今治市民会館大会議室(今治市別宮町1丁目4-1)
【宿泊】サンライズ糸山(今治市砂場町2丁目8番1号)
九州 宮崎県 7月8日(土)~9日(日) 福岡県・佐賀県・
長崎県・熊本県・
大分県・宮崎県・
鹿児島県・沖縄県
青島神社儀式殿(宮崎市青島2-6-33)
青島グランドホテル(宮崎市青島1-16-64)

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